« 2006年11月 | メイン | 2007年1月 »

カルロス・クライバー ベートーヴェン交響曲第7番

 今年後半、ドラマでは「のだめカンタービレ」が話題になった。優れた原作を忠実に再現しつつ、音楽の魅力を前面に出して毎回楽しませてくれた。このドラマでクラシックへの関心が高まった人も多いのではないか。
 また、元気で前向きなストーリーで、なにかと暗い話題の多かった日本に明るさを与えてくれた点も広く親しまれた一因では。
 第1話で、ベートーヴェン交響曲第7番をバックに華やかなオープニングが始まったとき、その鮮やかさに驚きワクワクしたことは記憶に新しい。

 ベートーヴェンの交響曲第7番については、カルロス・クライバー指揮、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団(現ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団)による1983年の演奏が素晴らしかった。クライバーの流麗でスピード感溢れる指揮ぶりに圧倒され、その表現の豊かさにじっと見入ってしまった。コンセルトヘボウの演奏も、年季の入った楽器から醸される深みのある響きに魅了された。由緒あるオーケストラとスポーティな指揮が見事に融和し、高揚感のある演奏に出会えた。
 この演奏のように、来年は前向きで推進力のある一年になってほしいと願っている。

交響曲第7番イ長調
クライバー(カルロス) ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
B0000677H6

坂本竜馬

 新しい日本の夜明けを目指して東奔西走した土佐の快男児、坂本竜馬。

 「福沢諭吉」の音読が終わった時、次は誰の伝記を読みたいと息子に聞くと、「坂本竜馬」と答えた。少し難しいかと思ったが、音読をさせてみた。
 幕末の複雑な情勢、多彩な人物、様々な事件など、この時代は記述すべきことがたくさんある。そのため、竜馬に関する部分が簡潔にならざるを得ないため、聴いていて、時代の流れで竜馬があれよあれよと転変していく感じを受けた。気がつくと、あっという間に近江屋での襲撃の場面になっていた。まさに、時代を駆け抜けたという印象が残った。

坂本竜馬―明治維新の原動力
砂田 弘
4061475584

おーい!竜馬 少年篇

 図書館に「おーい!竜馬」のビデオがあったので、丁度、息子が坂本竜馬の伝記を読んでいることもあり、借りてきて家族で視聴した。NHK総合テレビで1992年から放映されたアニメーションである。
 第1話から第13話の「少年篇」を見るが、まず、竜馬の過ごした家や土佐の町並が丁寧に描かれており感心した。
 泣き虫で弱虫だった竜馬が様々な事件に直面し、次第に成長していくストーリーは興味深く、子どもたちも真剣に見ていた。それら事件のいくつかは、土佐の身分制度「上士と郷士」による差別を基軸としている。フィクションの部分も多いであろうが、素直に感情移入できる物語であった。

おーい!竜馬・少年篇〔1〕
笹川ひろし 高山みなみ 小林優子
B00005FU8I

チェリビダッケ チャイコフスキー交響曲第5番

 チェリビダッケ指揮、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団によるチャイコフスキー交響曲第5番の演奏を聴く。ゆったりとした足取りで、独特の間合いをもったライブ録音。
 生の演奏に代るものはないという信念を持ち、ホールでの響きを計算し、そこに作られる音にこだわったチェリビダッケの指揮ゆえ、ハーモニーの美しさは格別。
 構成美に貫かれた、風格のあるチャイコフスキー。

チャイコフスキー:交響曲第5番
チェリビダッケ(セルジュ) ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 チャイコフスキー
B00005HWWN

マキシム ニュー・ワールド

 イケメン・ピアニスト、マキシムによる3枚目のオリジナル・アルバム。「ニュー・ワールド」は、ドヴォルザーク交響曲第9番のアレンジ。クラシックやポピュラーの名曲が華麗なピアノと多彩なサウンドで奏でられる、クロスオーヴァー・ミュージックの快盤。

ニュー・ワールド
マキシム
B000AA7FFS

シベリウス 交響曲第2番

 シベリウス交響曲第2番を聴く。カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏。美しさを前面に出した、洗練されたシベリウス。

シベリウス:交響曲第2番
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 カラヤン
B00005GIUL

ドラマ のだめカンタービレ 最終回

 ドラマ「のだめカンタービレ」がクリスマスの日に幕を閉じた。前半、のだめの実家、福岡県大川市でのエピソードでは、原作の家族がより個性的に再現されていた。母親役の宮崎美子が楽しそうに演じて光っていた。父親の岩松了、祖母の大方斐紗子もよい雰囲気であった。この家族だけでも、「寺内貫太郎一家」のようにひとつのドラマができそうだ。
 後半、サントリーホールのコンサートでは、キャラクターの一人一人に台詞を与える、丁寧なドラマのフィナーレだった。

 上野樹里は適役で、原作の雰囲気にぴったりであった。あれだけ多くの個性的なキャラクターを一人一人生かす脚本も、見事であった。何より、服部隆之のアレンジによる名曲の数々がドラマを存分に盛り上げ、クラシックのよさを味わうことができた。

 ドラマの11回分では、季節的なこともあって取り上げられなかった長野での夏の音楽祭のエピソードは、「のだめカンタービレ~夏のスペシャル」のように放映されるのであろうか。
 原作10巻からのヨーロッパを舞台とした物語はドラマ化されるのであろうか。
 良い音楽のように、その世界にもっと浸っていたいと思えるドラマであった。

のだめカンタービレ (出演 上野樹里、玉木宏)
B000HIVIGK

のだめカンタービレ (10)
二ノ宮 知子
4063405052

ファンタジア

 ディズニー不滅の名作「ファンタジア」。「魔法使いの弟子」を聴くと、ミッキーマウスが演じるこの作品が自然と思い出される。
 クラシックの名曲と流麗なアニメーションが融和した映像はどれも素晴らしいが、「くるみ割り人形」の音楽による、冬が訪れるシーンの繊細さと優美さには、ため息が出るほど感銘を受けた。1940年の制作であることに驚嘆する。
 何度見ても魅了されるアニメーションの金字塔。

ファンタジア
ベン・シャープスティーン ウォルト・ディズニー
B000FEI530

デュトワ 魔法使いの弟子

 シャルル・デュトワ指揮、モントリオール交響楽団によるフランスの小品を集めたCDを聴く。曲目は、シャブリエ「楽しい行進曲」、デュカス「魔法使いの弟子」、シャブリエ「狂詩曲スペイン」、サティ「2つのジムノペディ」、サンサーンス「バッカナール」、ビゼー「小組曲子供の遊び」、トーマ「レーモン序曲」、イベール「喜遊曲」。
 エスプリに富んだ軽妙な曲が洗練されたオーケストラで次々と奏でられ、華やかなパリの街路を歩む気分が味わえる。

魔法使いの弟子 : フレンチ・コンサート
モントリオール交響楽団 シャブリエ デュトワ(シャルル)
B00005FLOD

ペール・ギュント

 リヒャルト・シュトラウス「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」、グリーグ「ペール・ギュント」付帯音楽、チャイコフスキー「ロメオとジュリエット」が収録されたCDを聴く。カラヤン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団演奏。
 「ペール・ギュント」からは「朝の気分」「オーセの死」「アニトラの踊り」「山の魔王の宮殿にて」「イングリットの嘆き」「ソルヴェイグの歌」が採られている。どの演奏も魅力があるが、「ソルヴェイグの歌」はことの他美しい。

グリーグ:ペール・ギュント
ヘルベルト・フォン・カラヤン ウィーンpo
B000064K1I

アクセスランキング

Ajax Amazon

  • Amazon.co.jpアソシエイト
  • UserLocal
  • Ajax Amazon
    with Ajax Amazon