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ヴェデルニコフ バッハ

 ヴェデルニコフの、奇をてらわず真摯に弾くバッハは、しみじみと良い。
 「イギリス組曲第6番」に現れる、瞑想的な美しさと可憐な響きにはどちらにも惹かれる。
 ヴェデルニコフ自身が編曲した「7つのコラール前奏曲」は、慈しみをもって弾いていることが伝わってくる名演。
 「イタリア協奏曲」では、一転、明るく快活なピアノに魅了される。これほどバッハを聴く喜びを味わったのは、パブロ・カザルス指揮、マールボロ音楽祭管弦楽団によるブランデンブルグ協奏曲以来だ。
 磨きぬかれた技と、確固とした精神により表現された、比類無きバッハ。

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