皆でわいわい言いながら、数学を学びあっていく。そんな情景が浮かぶ、「フーリエの冒険」。これほど分かりやすくフーリエ級数を扱った本はないだろう。新しい世界に冒険をする心持ちで数学に触れることができる。
波の成分の話から始まり、フーリエ展開、微分・積分、ベクトル、オイラーの公式、フーリエ変換と波の不確定性と進み、レベルは高い。しかし、手書きのイラストと具体的な例えにあふれ、たいへん親しみやすい。イメージが豊かで、数学の有用性を実感できる。高校生や大学生が読み進んで独習する価値が充分にある。
数学を学ぶ楽しさを伝えてくれる、素晴しい本。
フーリエの冒険
トランスナショナル・カレッジ・オブ・レックス 
「ザ・ヒットパレードのテーマ曲」「恋のフーガ」「亜麻色の髪の乙女」「花の首飾り」「学生街の喫茶店」など、すぎやまこういち作曲・編曲の音楽を、金管五重奏によって演奏したCD。すぎやまこういちの多彩な足跡をたどる作品集ともなっている。「ドラゴン・クエスト」の曲は収録されていないが、すぎやまこういちのライフ・ワークとなったゲーム音楽に繋がる要素がいろいろと感じられる。
SFアニメの快作「FREEDOM」の、前編１～３話、後編４～６話に続く特別編、FREEDOM SEVEN。テンポ良く進んだ６話までの流れとややスピードが異なり、含みのある表現が多い。
FREEDOM特別編 FREEDOM SEVEN
加藤精三, 浪川大輔, 森久保祥太郎, 小林沙苗, 森田修平
大友克洋がキャラクター・デザインなど初期設定を手がけたアニメOVA「FREEDOM」。日清カップヌードルの広告用アニメと、あまり期待しないで見たが、意外としっかりとした出来映え。大友克洋の「AKIRA」に類似した雰囲気だが、月や宇宙、街の描写は素晴しい。宇宙飛行へのオマージュという色彩が濃く、その観点では楽しめる作品であった。
FREEDOM 1
浪川大輔, 森久保祥太郎, 山口勝平
ファイナルファンタジーIVのBGM集が図書館の棚にあり、子どもが借りてくる。ファイナルファンタジーIVは、スーパーファミコン向けソフトとして1991年7月に発売されたもので、当時、スーパーファミコンでこれだけの音楽表現が出来るのかと驚嘆されたようだ。作曲は、FFシリーズをほとんど手がけている植松伸夫。このCDの全曲を作曲している。世界観にあった多彩な音楽を紡ぐ名手であることが、このCDからも強く感じられる。
ドラマ「モンスターペアレント」、今回は、昔気質の頑張る先生が登場し、ちょっとほっとする展開。
米倉涼子演じる主人公は、派手な服装で世間離れしているように見えるが、保護者・先生の双方に会って、それぞれの話を時間を割いてじっくりと聴いている。傾聴という基本的な姿勢をしっかりと持ち、問題に向き合っている。
緻密な構成が見事な、クライム・サスペンスの傑作。
ユージュアル・サスペクツ
クリストファー・マッカリー 
NHK大河ドラマ「篤姫」第34回は、公武合体によって江戸城に入った皇女和宮の側近たちと、篤姫側との大奥での確執を描く。暗い内容とは対照的に、衣装のきらびやかさが画面を明るく彩る回であった。
ピーター・セラーズ晩年の映画「チャンス」。テレビを唯一の心のよりどころとする庭師が、主人の死をきっかけに初めて家の外に出て、遭遇する出来事を描く。極めて上質のユーモアに溢れた、印象に残る映画。名優メルビン・ダグラスの演技が素晴しい。
チャンス
ピーター・セラーズ, シャリー・マクレーン, メルビン・ダグラス, ハル・アシュビー
黒田硫黄による、ナスをモチーフにした連作短編「茄子」の第２巻。味のある筆づかいと、生き生きとした人物たちに魅了される。第１巻から引き続き登場するキャラクターには、ことに親近感をおぼえる。ビールの肴として焼き茄子が無性に食べたくなる。
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