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西行花伝

「願はくは 花のしたにて 春死なん
 そのきさらぎの 望月のころ」

 辻邦生原作「西行花伝」のラジオドラマを収録したCDを聴く。名家に生まれ、文武に優れながらも出家を選び、歌の道を極めようとする西行の姿を描く大作。
 竹本住太夫、板東八十助、日下武史、川口敦子、鈴木瑞穂、北村和夫、白坂道子、津嘉山正種という錚々たる人々が演じ、言葉の力を感じさせる。バッハと邦楽が交錯する音楽も、ドラマに奥行きを与えている。
 言葉が現実に影響を与える「言霊」が信じられていた時代の雰囲気を感じ取ることができる秀麗なドラマ。

ラジオドラマCD 西行花伝
4903478092

龍馬伝 22

 NHK大河ドラマ「龍馬伝」第22回は、「龍という女」。真木よう子が、存在感のある演技でお龍を印象づける。鎖帷子の上に浅葱の羽織をまとう新選組が、京のセットを背に映え、独特の空気を醸す。追いつめられた岡田以蔵の表情に、ドラマの丁寧な作り込みが象徴されていた。

NHK大河ドラマ「龍馬伝」

実践に学ぶ情報教育

 情報教育に関する本としては、たいへん古い本である。しかし、この本には古びるどころか、むしろ見直さなければならない大事なことが多く記されている。
 現在、電子黒板が普及し始め、それを用いて教師が教科書や実物、生徒のノートなど様々な教材を大きく提示して分りやすい授業が行われる環境が整いつつある。生徒の発表活動にも電子黒板は活躍し、表現させる授業の幅が広がった。
 2002年発行の本書には、これら提示・発表の視点以外にも、コンピュータやネットワークの特性を活かした実践が多数紹介されている。「方法知」「協同学習」「問題解決」など、現在でも重視しなければならない視点が多い。
 ネットワークそのものも、この10年、高速化は図られたが、しくみそのものはほとんど変わっていない。情報教育にもどれほど変化がみられただろうか。
 コンピュータを用いて論理的な思考をやしなう工夫などは、むしろ10年前、20年前のほうが多くの実践がなされていたように感じる。
 「教育の情報化」を考える際に、いまだに紐解く価値がある本であると感じる。

実践に学ぶ情報教育―これからの学習を変える (ジャストシステム情報教育シリーズ)
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青春歌年鑑 1978

 1978年、この年は印象に残る曲が多い。「微笑がえし」「Mr.サマータイム」「飛んでイスタンブール」「冬が来る前に」「かもめはかもめ」「林檎殺人事件」「いとしのロビン・フッドさま」…。いくつかを挙げただけで、時代の雰囲気が感じられる。映画では、「スターウォーズ」「未知との遭遇」が封切られた年であり、アニメでは 「未来少年コナン」「ペリーヌ物語」「銀河鉄道999」と名作が立て続けに放送された。NHK大河ドラマは「黄金の日々」。時代も、メディアも、熱気を帯びていた。

青春歌年鑑 1978
B00005HPNI

アニメ「のだめカンタービレ」オリジナル・サウンドトラック

 アニメ「のだめカンタービレ」のオリジナル曲集。松谷卓が作曲・アレンジした作品であり、パステル調の色彩を感じる、優しく品のある曲が多い。
 ベートーヴェン、ブラームス、ラフマニノフなどクラシックの名曲が奏でられる物語であり、間をとりもつ音楽を作るのは、たいへんだったのではないか。しかし、松谷のオリジナル曲はそれら大作曲家の音楽の中にあって、おもねるでもなく突出した主張をするでもないが、個性をもった音楽として、絶妙のバランスでドラマを引き立てる。

アニメ「のだめカンタービレ」オリジナル・サウンドトラック
松谷卓 TVサントラ
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懐かしの外国TVドラマ・テーマ

 「ローハイド」「トワイライトゾーン」「ララミー牧場」「サンセット77」「コンバット!」「バットマン」「スタートレック~宇宙大作戦」「チャーリーズ・エンジェル」など、外国TVドラマのテーマ26曲を集めたCD。音源は様々。「スパイ大作戦」など、オリジナルの演奏を聴くと、やはりいいなあと思う。「サンダーバード」は、航空自衛隊航空中央音楽隊による演奏だが、これはこれでなかなか味がある。

懐かしの外国TVドラマ・テーマ ベスト
航空自衛隊航空中央音楽隊
B001QVX6EE

専務 島耕作

 入社37年、島耕作は専務に就任する。全5巻、東京、ニューヨーク、上海、デリーと世界各地を飛び回り、様々な困難を乗り越えていく。大人のファンタジーと言えるほど都合の良いサクセス・ストーリーではある。しかし、日本製品が駆逐されている様子や、敵対的M&Aなど、現在の日本の企業を取り巻く状況を盛り込み、そのリアリティあふれる描写は興味深い。

専務 島耕作(1) (モーニングKC)
4063725928

シューマン:交響曲第1番「春」・第3番「ライン」

 バーンスタイン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるシューマン交響曲第1番「春」、第3番「ライン」のCDを聴く。1984年のライヴ・レコーディング。メリハリと美しさのある演奏。特に、第1番のみずみずしさは心地よい。

シューマン:交響曲第1番「春」・第3番「ライン」
バーンスタイン(レナード)
B000I0S90A

龍馬伝 21

 NHK大河ドラマ「龍馬伝」第21回は、「故郷の友よ」。いつもながら、時代背景の説明の少なさにはちょっと唖然とするが、いいシーンの多い回であった。
 勝海舟と龍馬とのやりとりも熱がこもっていたが、岩崎弥太郎と武市半平太との互いの生き方を認める会話がとても良かった。このような、味わいのある俳優が生き様をぶつけ合うシーンをみられるのが大河ドラマの魅力。
 最後の、半平太と妻との別れのシーンも、端然とした日本の美があり、静かな感動をおぼえた。

NHK大河ドラマ「龍馬伝」

ヒカルの碁 23

 「ヒカルの碁」23巻は、韓国戦を描いた最終巻。全23巻、ほったゆみの見事なストーリーと、小畑健の円熟の絵に魅了させられた。碁という極めて地味で漫画にしにくい世界を、これほどドラマチックに表現した力量は本当にすごい。碁が千年の時を越えて続けられているように、この漫画も普遍的な要素を持っているように思う。

ヒカルの碁 23 (ジャンプ・コミックス)
ほった ゆみ
4088735048

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