旅のラゴス
高度な文明を失った代わりに、人々が特殊な能力を持った世界。その広大な地を旅する一人の男の半生を通し、文明の諸相が浮かび上がる。
筒井康隆によるファンタジーSFの大傑作。
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高度な文明を失った代わりに、人々が特殊な能力を持った世界。その広大な地を旅する一人の男の半生を通し、文明の諸相が浮かび上がる。
筒井康隆によるファンタジーSFの大傑作。
グレン・グールドによる、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集。第1番の懐かしい響きをたたえたオーケストラに、軽やかな音が広がる音楽から引き込まれる。闊達な自作のカデンツァに聞き惚れる。第4番は独特の抒情に満ちた雰囲気がある。第3番の、レトリックに満ちた表現も良い。
第5番のストコフスキーとの演奏も、ゆったりとした余裕を感じさせる表現が快い。オーケストラも触発され、実に生気溢れる演奏となっている。
どの曲も、何度も聴きたくなる魅力を持っている。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
ベートーヴェン
NHK大河ドラマ「龍馬伝」が最終回を迎える。斬新な映像を作ろうとするスタッフの意気込みが伝わってくる作品であった。
キャストでは、岩崎弥太郎を演じた香川照之の功績が大きい。時に狂言回しとなり、時に龍馬の引き立て役になり、語り部として、独特の間合いを生みだしていた。
武市半平太役の大森南朋は、前半の要として的確な演技でドラマをしめる役割を果たした。後半では、後藤象二郎役の青木崇高が、俄然存在感を高めた。第40回「清風亭の対決」で土佐藩の要職としての貫禄を身につけた演技には目を見張った。
山内容堂を演じた近藤正臣、吉田東洋を演じた田中泯のにじみでる気迫も見応えがあった。
真木よう子のお龍も気丈さの中にもたおやかさがあり、存在感のあるヒロインであった。
絵的には、第2部がスタートした第14回、京の街の映像が印象に残る。細部までこだわりぬいたセットの中に成長した龍馬が颯爽と登場し、新しいドラマが始まる雰囲気が感じられ、わくわくする回であった。
第16回「勝麟太郎」は、最も感心した回であった。坂本龍馬と勝海舟のひねりを加えた出会いからラストのカタルシスを感じる終わり方まで、脚本にうならされた。
また、第3部スタートの第29回、「新天地、長崎」での切り替えも見事で、特に伊勢谷友介演じる高杉晋作の、理屈抜きの格好良さが映えた。
幕末の複雑な事情をほとんど説明せず、主人公のまわりの人々の姿や思いを全面に出し、行動する男たちの大河であった。海軍操練所や亀山社中、海援隊の場面の熱気は、スタッフの熱気がそのまま重なっているのではないか。
NHK大河ドラマ 龍馬伝 完全版 DVD BOX―1(season1)[DVD]
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東京観光の代名詞でもある「はとバス」は、1998年には4期連続の赤字であり、70億円もの借入金を抱えており倒産の危機にあった。東京都庁で交通行政にあたっていた筆者は、はとバスの社長に就任して現場主義を貫き、黒字回復を達成し、累積赤字も解消させる。そのV字回復の取り組みは、社員のアイディアを引き出すリーダーシップと、徹底した顧客目線の追求から生まれたものであった。
実直な語り口から「サービスの神髄」と「リーダーのあるべき姿」がにじみ出る良書。
はとバスをV字回復させた社長の習慣
宮端 清次
「浅間山荘事件」などで現場を指揮した危機管理の専門家、佐々淳行が語る管理職の心得。「アフター・ユウ」と「フォロー・ミイ」など、現場リーダーに対する箴言に満ちている。
1996年8月、中野サンプラザで行われた荒井由実のコンサート・アルバム。バックの音楽が素晴らしく充実している。それもそのはずで、松任谷正隆、鈴木茂、林立夫、武部聡志、斎藤ノブなど、デビュー当時のミュージシャンが集まり、楽曲を再現している。同窓会のように皆が楽しみ、最高にグルーヴィーな音楽を創り上げている。
ブルーノ・ワルター指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるマーラー交響曲第9番の演奏を聴く。マーラーの愛弟子であり、マーラーの死後、1912年に初演したワルターによる演奏。曲に対する共感がひしひしと伝わってくる。ゆったりとした第1楽章から独特の気分が横溢する。第4楽章の響きは格別に素晴らしく、「青空に溶けいる白雲」のような結尾も深い余韻が残る。1938年の歴史的名盤。
ビル・エヴァンス・トリオによる、軽やかでスィンギーなアルバム。美しいメロディーラインに支えられた個性的な8つの曲は、どれも味わいがある。
ハウ・マイ・ハート・シングス+1
ビル・エヴァンス
豊富な具体例や古今の名言から行動の指針を示す。ひたすら前向きな本。
3週間続ければ一生が変わる〈ポケット版〉
ロビン シャーマ 北澤 和彦
NHK大河ドラマ「龍馬伝」第47回は、「大政奉還」。ええじゃないかのシーンで、音声マンや助監督たちが混じって踊りながら撮影を行ったとNHKのホームページに記載されている。「疲労の極致のなか、もはやヤケになっているとしか思えない」という言葉がたいへん印象に残る。これだけ熱気のある作品を創り上げるには、さぞかしエネルギーを使ったことであろう。
NHK大河ドラマ「龍馬伝」
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