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ウォルト・ディズニー 創造と冒険の生涯

 世界中の誰もが楽しめるアニメーションを作成し、夢の世界に誘うテーマパークを生み出したウォルト・ディズニー。その生涯を本人、家族、関係者へのインタビューをもとにボブ・トマスが綴った伝記。
 農村と都市の両方の文化にふれた少年時代、アニメーターとして苦労する青年時代も丁寧に記されている。
 世界初のトーキー・アニメーション「蒸気船ウィリー」、カラーアニメーション「花と木」、長編アニメーション「白雪姫」など、強力なリーダーシップでアニメーションの世界を切り開いていく。そして、自らの夢を実現するため、ディズニーランドの開園に精魂を傾ける。その過程での、ディズニーの考えや関係する人々の人間模様がつぶさに記され、極めて興味深い。
 夢を追い求め、実現をしていった創造と情熱の生涯は、読み手に刺激を与え続ける。人々に生きる喜びと希望を与えるディズニーの作品のように。

ウォルト・ディズニー 創造と冒険の生涯
ボブ・トマス 玉置 悦子
4062163322

フランクル『夜と霧』(100分 de 名著)

”何か”があなたを待っている
”誰か”があなたを待っている
人は、どんなに絶望的な状況でも希望を見いだせる。

  ナチスドイツの強制収容所で死と隣り合わせの体験をしたフランクル。ガス室の処刑、喪失感、飢餓、過酷な労働など、命を落とすかもしれない極限的な状況の中でも、フランクルは学者としての冷徹な眼を失わず、わずかな紙片に収容所で観察したことを書き留めていった。
 名著「夜と霧」を諸富祥彦氏が解説したテキストには、自分たちの状況に向き合う力を与えてくれ、勇気づけられる。

フランクル『夜と霧』 2013年3月 (100分 de 名著)
諸富 祥彦
4142230247

松尾芭蕉『おくのほそ道』 (100分 de 名著) 

 NHK「100分 de 名著」の中でも、番組として出色の構成であったのが、「松尾芭蕉『おくのほそ道』」のシリーズである。4回の番組で、芭蕉がたどった道のりを4つに区切り、それぞれの意味合いを鮮やかに解説していた。
 芭蕉の足跡を俳人の長谷川櫂と女優の内山理名が訪れ紹介し、紀行番組のような趣きもあった。「人生のかるみ」「不易流行」などの、芭蕉の句が到達した境地を映像を交えて分かりやすく解説し、楽しく密度の濃い番組であった。
 テキストも、周到に構成・錬成された文学である『おくのほそ道』の真価が明示されている。眼を開かせられる思いであった。

松尾芭蕉『おくのほそ道』 2013年10月 (100分 de 名著)
長谷川 櫂
414223031X

小林賢太郎テレビ3

 アーティステックな笑いを生み出す小林賢太郎による番組第3弾。今回は「日本語」がテーマ。得意とする言葉遊びのコントの数々は、「お見事」と叫びたくなる。
 脳に心地良い刺激をあたえる上質のコントをぜひご賞味あれ。

小林賢太郎テレビ 3 [DVD]
B008R52FDK

新世界より(下)

 貴志祐介があらんかぎりの創造力を駆使して描く小説「新世界より」。人類は、かつてない危機を迎える。
 圧倒的な筆力で懸命に生きる人々を活写する。単なる冒険譚に終わらないのは、この物語が深い抒情をたたえているからであろう。読書の醍醐味を与えてくれる入魂の長編。

新世界より(下) (講談社文庫)
貴志 祐介
4062768550

新世界より(中)

 貴志祐介の「新世界より」中巻では、主人公の成長とともに徐々に真実が明らかになっていく。物語の静と動の交錯が巧みな巻。

新世界より(中) (講談社文庫)
貴志 祐介
4062768542

新世界より(上)

 「黒い家」「青い炎」など、鮮烈なサスペンスやミステリーで知られる貴志祐介が、満を持して放つ「新世界より」。
 内容は、なにも先入観をもたずに読んだ方が楽しめる。上・下・中3巻の文庫であるが、上巻では前半に世界観が提示され、後半より一気に怒濤の展開となる。壮大なスケールで描かれる小説。

新世界より(上) (講談社文庫)
貴志 祐介
4062768534

宮崎駿の雑想ノート

 「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」の宮崎駿が、飛行機、戦艦、戦車などにまつわるエピソードを虚実とりまぜて描くオール・カラーの作品集。
 その絵の緻密さに驚くと共に、本当に兵器そのもの愛着があり、楽しんで書いていることが伝わってくる。
 プラモデル雑誌に連載されたものだが、「紅の豚」のストーリーボードになった作品もある。ユーモラスな雰囲気があり、最後の対談や解説にいたるまで楽しませてくれる。

宮崎駿の雑想ノート

永遠の0

 零戦パイロットの祖父の実像を追い求める若者を通じて、太平洋戦争を描いた百田尚樹のベストセラー「永遠の0」。現在と過去を交錯させながら、戦闘機パイロットの思いを伝える。

永遠の0 (講談社文庫)
百田 尚樹
406276413X

戦場にかける橋

 「クワイ河マーチ」で有名な、1957年の映画「戦場にかける橋」。第二次世界大戦中、タイの日本軍捕虜収容所を舞台に、英国軍捕虜と日本人大佐の対立と交流を通し、人間の尊厳や戦争の狂気が描かれる。
 デヴィッド・リーン監督の雄大な映像と練られた脚本で、160分を超える作品だが引き込まれ一気に見られる。
 アカデミー賞作品賞等7部門に輝く名作。

戦場にかける橋 (1枚組) [DVD]
B004E2YUNI

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