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始祖鳥記

 江戸天明期、空を飛ぶことに自らのすべてをかけた男の生き様を描いた飯嶋和一の小説「始祖鳥記」。
 幸吉は腕の良い表具師であったが、自ら作った凧で空を駆け、お上の世を騒がせた罪で捕縛される。
 主人公の数奇な運命を通して、当時の経済を活写した物語でもある。幸吉の生き様も興味深いが、とりまく人々が実に味わいがある。多層的な深みと爽快さを合わせもっており、読後の充実感は何物にも代え難い。
 読書の醍醐味を与えてくれる感動の小説。

始祖鳥記 (小学館文庫)
飯嶋 和一

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