楽園のカンヴァス
原田マハによる「楽園のカンヴァス」は、アンリ・ルソーの名画「夢」をめぐる小説。現代と1900年代初頭のパリを交錯させながら、日曜画家と揶揄されたルソーの真の姿に迫っていく。ウッディ・アレンの映画「ミッドナイト・イン・パリ」を思わせる雰囲気もある。
絵画とそれに関わる人々をモチーフに、巧みなストーリーで読み手を魅了する傑作アート・ミステリー。
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原田マハによる「楽園のカンヴァス」は、アンリ・ルソーの名画「夢」をめぐる小説。現代と1900年代初頭のパリを交錯させながら、日曜画家と揶揄されたルソーの真の姿に迫っていく。ウッディ・アレンの映画「ミッドナイト・イン・パリ」を思わせる雰囲気もある。
絵画とそれに関わる人々をモチーフに、巧みなストーリーで読み手を魅了する傑作アート・ミステリー。
グスタフ・クリムトが描いた「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 Ⅰ」。元々個人所有であったこの絵は、ナチスによって収奪され、オーストリア政府の所有になる。この絵の返還をめぐる裁判を描いた映画。
老女と若手弁護士の軽妙なやりとりに、クリムト、シェーンベルクなど19世紀末のウィーンの文化と、ナチスドイツの台頭、ユダヤ人の迫害など史実の重みが加わっていく。
文化と歴史が交錯する、多層的で上質なヒューマン・ドラマ。
ニューヨーク近代美術館の女性キュレーターが、ピカソが戦争と向き合った大作ゲルニカの展示に情熱を燃やす。
第二次世界大戦前後のピカソとその愛人ドラ・マールの関わり、ゲルニカ制作の経緯を挟みながら、国際色豊かに描いた小説。
暗幕のゲルニカ
原田 マハ
阪急今津線を舞台にした有川浩の小説を原作とする映画「阪急電車 片道15分の奇跡」。電車に偶然乗り合わせた人々それぞれの思いが交錯し、奇跡を生む。
宮本信子など味のある演技をする俳優が集い、レトロな車体や風景と相まって心地良い作品となっている。ハートウォーミングな群像劇。
突然死した課長が、家族に別れを告げるために一週間だけ現世に舞い戻る顛末を描く、浅田次郎の小説「椿山課長の七日間」。
現世に戻るまでのお役所的な手続きが妙にリアル。至るところに笑いを散りばめながら、巧みなストーリーテリングで一気に読ませる。
悲喜こもごもを「死後の世界」を通して凝縮し、心をゆさぶる浅田節の真骨頂。
椿山課長の七日間 (朝日文庫)
浅田 次郎
路地裏にあるマスター1人で切り盛りする小さな飯屋でおこるエピソードを描く「深夜食堂」。安倍夜郎による漫画を原作とする。劇場版では、3つのエピソードを連ねた人生模様が綴られる。
小林薫演じるマスターとワケありの客たちが織りなす人情劇。
柳家小三治の落語「お茶汲み」。長大なマクラであるが、茶飲みばなしのような気楽さがあり聴き入ってしまう。いつの間にか本題に入り、人物造形の巧みさから一気に聴かせる。名人ならではの話芸。
柳家小三治II-2「お茶汲み」-「朝日名人会」ライヴシリース43
小口けい 柳家小三治
ダイアナ・クラールのヴォーカル、ピアノによるアルバム。自然な流れで歌われるが、そこには何度聴いても飽きないテイストがある。センス溢れる上質のジャズ・アルバム。
ホエン・アイ・ルック・イン・ユア・アイズ
レスリー・ブリキューズ ダイアナ・クラール
年賀状の背景写真を撮るため、朝7時前に観音山に登る。
今年は長男、次男共に自らのことで忙しく、家族そろっての県外旅行もなかった。そのため、年賀状は今年10月、駅前にオープンしたファッションビル オーパで撮った兄弟の写真とし、背景は高崎の風景にすることにした。
朝日を浴びてほのかに朱く染まる高崎の街には、1日が動き出す高揚感があった。
午後、高崎高校で行われるクリスマス・コンサートに出かける。翠巒会館の舞台に飾られた手づくりの幕が楽しい雰囲気を引き立たせる。作成総指揮を委ねられた次男は直前まで時間に追われる日々であったようだ。
最初に、次男が所属するマンドリン部の演奏。思い思いのクリスマス小道具を身にまといながら、「RAIN」「天体観測」「粉雪」など部員がアレンジした楽曲を披露した。コンクールで演奏する「舞踏風組曲第3番」は、今後の成長に期待したい。前回、県コンクールで最優秀賞をとり全国大会に出場した部であったが、その成績を維持するためには、かなりのハードルを乗り越える気迫が求められるであろう。
合唱部は少人数ながら、一生懸命取り組んでいた。アンサンブルを生かした合唱で、クリスマスらしい雰囲気を醸していた。最後のほうでは、恋ダンスで会場を沸かせていた。顧問のピアノも美しく、拝聴させていただいた。
吹奏楽部は、ジャズ班のセンスある「Four」に始まり、多彩な楽器が奏でる華やかな演奏を楽しませてもらった。
和太鼓部は、いつもながら迫力のある演武で、3曲どれも気迫がこもっていた。「羊伝説」は、何度聴いても圧巻。その猛るような演奏は、高崎高校を象徴する若き息吹が怒涛のごとく湧き上がっていた。
最後は、マンドリン部と吹奏楽部のコラボによるクリスマス・ソング・メドレー。参加した長男は、この演奏が一番楽しかったと言っていた。精鋭たちによる息の合ったプレイで、ラストにふさわしく余韻が残る演奏であった。楽しいひとときを過ごすことができ、感謝をしている。
閉館まぎわの市立図書館に行く。立体駐車場からの景色は、高崎市西方の夕暮れ。浅間のシルエットと共に、美しい街を見守る山々が静かに稜線を浮き上がらせていた。
ファルコムのゲーム「英雄伝説 5 海の檻歌」は、ガガーブ・トリロジーの最後にあたる作品。若き頃、旅芸人として諸国を演奏してまわった老人が、伝説の作曲家レオーネの遺品を見つけたことにより、孫とその娘、愛犬と共に再び旅に出る。
RPGの魅力の一つは、実際に旅をしている気分にさせてくれることだが、この作品は見事にそれを実現している。変化に富んだ地形、風光明媚な土地、個性豊かな都市と、進むたびにワクワクする。戦闘シーンもよく練られており、戦略性の高い攻撃ができる。
何より、音楽があまりに素晴らしい。この作品のテーマそのものが、失われたメロディを探すというものであり、各地でメロディを集めながら演奏活動がなされていく。コンサートのシーンでは、プログラミングの面でも多くの手間をかけていることが伺える。
練られたストーリーと美しい音楽、職人芸的なグラフィックスに彩られ、プレーヤーを最後まで飽きさせないRPGの名作中の名作。
なお、鳥肌が立つほど素晴らしいオープニングを手がけているのは「君の名は。」の監督、新海誠。
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