メルー

 ヒマラヤ山脈メルー峰に挑んだ人々の山岳ドキュメンタリー「メルー」。実際に登頂したジミー・チンが監督している。
 メルー峰へのダイレクト・ルートには、「シャークスフィン」と呼ばれる垂直な岩盤が立ち塞がる。2008年、コンラッド・アンカー、ジミー・チン、レナン・オズタークの3名が挑むが、あとわずかのところで失敗に終わる。映画は、その後の3名の心境とクライミングに向き合う様を描いている。
 単なる登山のドキュメンタリーにとどまらず、クライマーの内面にまで掘り下げた語り口が素晴らしい。山々のあまりに美しい映像が向き合う人の心境に説得力をもたらす。
 壮大な映像美で登山家の冒険心を余すところなく描く優れたドキュメンタリー映画。

MERU/メルー (字幕版)

ブレンダンとケルズの秘密

 9世紀、アイルランドの修道院で暮らす少年ブレンダンを主人公とする長編アニメーション「ブレンダンとケルズの秘密」。
 修道院はヴァインキングからの襲撃を守るために砦が築かれつつあった。伯父である院長からは砦より外に出ることを禁じられていたが、ブレンダンは本を書くためのインクの実を採取しに、森へと出かける。そこで、不思議な少女アシュリンと出会い、運命の歯車が回り始める。
 中世絵画風の背景の中で、少年が生き生きとした動きを見せる。どのシーンも一幅の絵画のような趣があるが、とりわけ「ケルズの書」の描写はあまりに見事。複雑に交錯したケルト文様が一斉に動く様は圧巻。
 緻密な様式美に彩られた鮮やかなアニメーション。  

カラスの親指

 道尾秀介の小説「カラスの親指」を原作とする映画。阿部寛主演、伊藤匡史監督による2012年公開映画。
 サラリーマンから転落したベテランの詐欺師タケは、さえない男テツとコンビを組んで仕事をしていた。ある日スリの少女を見逃すが、それがきっかけとなり奇妙な共同生活が始まる。
 トリッキーであるが、コメディとサスペンスがほどよく同居し心地よい映画。

カラスの親指 by rule of CROW's thumb

パラサイト 半地下の家族

 半地下の薄暗いアパートに住む家族と、高台の高級邸宅の住人との接点を描いた映画「パラサイト 半地下の家族」。ポン・ジュノ監督による2019年公開作品。
 薄汚い半地下のアパートに住む若者ギウは、名門大学に通う青年ミニョクが海外留学する間、家庭教師を代わりに行う依頼を受ける。大学生になりすまし、高台の高級住宅を訪れたギウは、夫人の信頼を得る。半地下の4人家族は、それをきっかけとして徐々に邸宅と関わっていく。
 韓国社会の垂直分断を力業で描いた意欲作。
 第72回カンヌ国際映画祭パルム・ドール賞、2020年アカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞など数多くの受賞歴をもつ作品。

パラサイト 半地下の家族(字幕版)

ディズニー・ジャパニーズ・アーティスト・ベスト

「Sugar Rush」AKB48、「小さな世界」倖田來未&Heartsdales、「シー・オブ・ドリームス」MISIA、「好きにならずにいられない」三浦大知、「星に願いを」矢沢永吉など、日本人アーティストが歌うディズニーの曲を集めたCD。
 どの曲もクオリティが高く、独特の感興がある。

トロン

 ディズニー最初のCG映画は1982年公開の「トロン(TRON)」である。公開当時、大学生であったが、CGに興味を持っていたので映画館へ見に行った記憶がある。ネットワークの世界に生きる悪の組織を倒すという話だったようだ。肝心のCGの部分は、当時でもそれほどインパクトを感じなかったように思う。バイクのような乗り物に変身して疾駆するCGが有名なシーンだったようだ。CGを画面全体で使うエポックメイキング的な作品なのだろうが、実写とCGがあまりに分離していたような印象が強い。ディズニーが表現の試行錯誤をした史跡的な作品か。でも、今見ると意外と興味深いかもしれない。

トロン
ジェフ・ブリッジズ スティーブン・リズバーガー ブルース・ボックスレイトナー

わが名はキケロ

 第二次世界大戦中のトルコで、ナチスドイツ、大英帝国、トルコ共和国の三つ巴の状況でスパイ活動を行ったキケロを描いた映画。
 ヒトラー、チャーチルなどが実名で登場し、歴史の断片が鮮烈に刻まれる。
 緊迫感のみなぎる秀逸なスパイ映画。

わが名はキケロ ナチス最悪のスパイ(字幕版)

提督の艦隊

 「提督の艦隊」は、2015年公開のオランダ映画。17世紀、英蘭戦争の頃のミヒール・デ・ロイテルを描いた映画。当時の海戦も描かれ興味深い。
 オランダ黄金期をリアリティあふれる映像で重層的に描く貴重な歴史映画。

提督の艦隊

艦長ホレーショ

 「艦長ホレーショ」は、1951年の海洋冒険映画。グレゴリー・ペックが主演、ラオール・ウォルシュ監督作品。
 変化に富んだ脚本であり、なかなか楽しめた。ハリウッド黄金期の明るく華やかな気風を感じる海洋ロマン。 

艦長ホレーショ(字幕版)

天地明察 映画

「天理は、算術と観測、どちらが欠けても成り立たん。」
「私たちが小さいのではない、世が大きいのだ。天はさらに広大だ。」

 冲方丁の小説「天地明察」を原作とする岡田准一主演の映画。滝田洋二郎監督による2012年公開作品。
 江戸初期の天文、和算に関する小道具を緻密に配置し、丁寧に映像化されている。個性的な俳優が競演し、起伏に富む物語にまとめあげている。
 数理の重要さを示す、志をもった映画。

天地明察

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