松本清張の短編小説「家紋」を、市原悦子が朗読したCDを聴く。北陸の信心深い土地で起った殺人をめぐる掌編。
悲劇ではあるが、日本昔話を聴くような安堵感のある語りに自然と引き込まれる。小説家と語り部、それぞれの匠を感じさせてくれる。
家紋 (新潮CD)
松本 清張
清水ミチコの10枚目CD。ウサギとカメをモチーフに三人のシンガー・ソングライターが作曲するなど、趣向を凝らしたモノマネが展開される。ピアノも見事で、芸達者ぶりに感心する。
趣味の演芸
清水 ミチコ
NHKラジオ第1にて放送された「東京03の好きにさせるかっ!」より、ゲストを招いてのコントを収録した2枚組CD。
働く大人たちのやりとりが描写されるが、テンションがどんどん増幅されていくシチュエーションが多い。
ゲストも、梶裕貴、本田翼、内田雄馬、水瀬いのり、花澤香菜、玉井詩織など豪華であり、俳優・声優の熱演に感化されてメンバーのノリがすごいことになっていく。
熱のこもったトークで時を忘れて楽しめる爆笑アルバム。
北原白秋、坪内逍遥、与謝野晶子、萩原朔太郎、室生犀星など、文学者が自らの作品を朗読した音声を収録したCD。
文学作品は、朗読を聞くことにより味わいが増すことが多い。特に昔の作品は韻律に優れており、聞くことで新たな魅力を知ることができる。ことに、作者が自らの文章や詩を朗読すると、そこには独特の感興が生まれる。
著名な詩人・翻訳家の音声により、文学の世界にひたることができる貴重な音源。
寺山修司が作詞をした曲と、詩の朗読が収められた2枚組CD。1枚目には、フォーリーブス「涙のオルフェ」、カルメン・マキ「時には母のない子のように」、本田路津子「戦争は知らない」、愛川欽也「山羊にひかれて」、「与謝野晶子」朝丘雪路など、陰をたたえた独特の情感をもった曲が多い。
2枚目は、詩の朗読である。詩も叙情豊かで味わいがあるが、バックの音楽も素晴らしい。内藤洋子、萩原朔美、竹脇無我などが山木幸三郎の欧風なしゃれた音楽にのって朗読し、しばし時を忘れて聴き入る。
レーシングカーの事故で亡くなった福沢幸雄に捧げた「男が死ぬとき」は、詩も音楽も極めて印象に残る。
深い叙情をたたえたアルバム。
北国の港町に迷い込んだ娘と土地の若者の心が交錯する。祭囃子のにぎわいの合間にふとみた地獄絵。生と死の境をたゆたう若者たちの姿を描いた寺山修司の叙事詩。
寺山修司作のラジオ・ドラマ「山姥」のCDを聴く。1964年、28歳の作品だが、姥捨て伝説をモチーフに、狂言の形式を取り入れたドラマは、鮮烈な印象を残す。イタリア賞国際コンクール・グランプリ受賞作品。
寺山修司が手がけたNHKのラジオ・ドラマのCDを聴く。1963年の「犬神歩き」1964年の「箱」が収録されている。「犬神歩き」は、犬神に憑かれた母親の姿を通して、因習と孤独を描く凄惨な話。
「箱」は、一転、軽やかに飛び交う言葉と湯浅穣二作曲の児童合唱が彩る大人の寓話。
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