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晏子 4

 宮城谷昌光の歴史長編「晏子」では、晏弱の凛質が晏嬰に受け継がれる様が見事に描かれている。
 晏弱・晏嬰父子を光とすれば、全巻を通して登場し節目節目で重要な役割を果たす崔杼は、影として対比できる。国家を支え万人から喝采を受けるような晏弱・晏嬰父子の活躍の裏で、崔杼はまた違った形で国造りに情熱を注ぐ。この崔杼をはじめ、晏子を取り巻く多くの人々の巧みな人物描写により、奥行きがあり陰影に富んだ物語となっている。
 激動の時代を懸命に生きる人々の姿を通し、真の宰相の在り方を浮き上がらせた名作。

晏子(四) (新潮文庫)

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