サマーウォーズ
ネット上の仮想世界から引き起こされた混乱に、大家族が立ち向かう映画。細田守監督が、上田にある奥さんの親類の絆に感銘を受け、日本の原風景を描くことに力点が置かれている。そのため、バーチャルの緻密な描写と、家族の細やかな情感の描写がコントラストをなし、独特の感興がある。
雲や風景など自然の描写に対する監督のこだわりが良い方に作用し、爽やかな作品に仕上がっている。
ネット上の仮想世界から引き起こされた混乱に、大家族が立ち向かう映画。細田守監督が、上田にある奥さんの親類の絆に感銘を受け、日本の原風景を描くことに力点が置かれている。そのため、バーチャルの緻密な描写と、家族の細やかな情感の描写がコントラストをなし、独特の感興がある。
雲や風景など自然の描写に対する監督のこだわりが良い方に作用し、爽やかな作品に仕上がっている。
「新婚旅行ハリケーン」は、クレヨンしんちゃん映画の27作目。オーストラリアを舞台にした冒険活劇。
母みさえが主役となって活躍する。みさえのためのストーリーともいえる。
「マッド・マックス」のパロディなど、遊び心も満載。
どんな状況でもひまわりは家族に守られている。楽しくも心温まる作品となっている。
2020年、多くの逝去された著名な方々がおられたが、とりわけ感慨深かったのは11月12日に亡くなられた小柴昌俊氏の訃報である。氏はニュートリノ天文学を開拓し、2002年にはノーベル物理学賞を受賞された。
実際にお会いしたのは、大学の研究室における先輩の結婚式で仲人としていらしたときである。帝国ホテルでの式に参加し、良き時を過ごすことができた。
その先輩とのご縁もあって、2009年3月、スーパーカミオカンデの内部を家族で見学することができた。
岐阜県の山中にある施設の入口が最初わからず、ガードレールもない急峻な崖沿いの狭い道をどんどん上っていった。遥か下に川が見える崖から転落する恐怖におびえながら車を運転し、頂上に近い所で行き止まりになってようやく行き過ぎたことに気付き引き返した。
施設の入口は、シャッターがひとつあるだけの何の変哲もない寂しい場所であった。ほどなくシャッターが開き、東大の先生が運転する専用車両が出てきてホッとした。
子どもたちは宇宙線研究所で借りたヘルメットをかぶり、懐中電灯を手にして冒険気分で楽しそうであった。
錆びたバンで鉱山跡の奥深くまで乗っていき、ようやく施設にたどり着く。内部には狭い部屋があり、壁を大きく占めるモニターには色とりどりの点が明滅していた。地下の巨大な水槽に据え付けらている光電管で捉えた素粒子を示すものであった。宇宙の真理を解明する試み、純粋に知的な営みが静かになされていることに感銘をおぼえた。基礎科学の重みを実感した体験であった。
2020年はコロナ禍でイレギュラーなことが多い1年であった。それだけに、普遍的な科学への関心を高めることの重要性を痛感する年であった。
「ミクロとマクロは繋がっている」
小柴氏の言葉は、今も大切な視座を与え続けてくれる。
今年は家族で遠出をしなかったので、年賀状用の写真を撮るために近くの少林山に行く。
少林山達磨寺は群馬県高崎市の古刹であり、縁起物の生産地に近く多くのだるまが奉納されている。
晩秋であり、人もあまりいないであろうと思っていたが、意外なことに寺の駐車場には多くの車が停まっていた。しかも県外のナンバーが多く、紅葉のシーズンでもあり人気のスポットだったのかもしれない。
境内からは榛名山などが望まれ、紅葉に彩られた風景が見られる。
達磨寺からほど近い、鼻高展望花の丘に行く。四季折々の花が植えられているスポットである。コスモスの季節が有名であるが、晩秋にもかかわらず鮮やかな色合いの花が植えられていた。
花畑の向こうに、高崎市街や榛名山などが遠望できる。広やかな景色に心も自然とおだやかな気分になる。
近くの長坂牧場からの眺望も素晴らしく、新鮮なミルクで作られたソフトクリームを食べながら景色を満喫した。
鼻高の高地からは、浅間山、妙義山など群馬を囲む霊峰が一望できる。
これら峨々たる山塊が、群馬県人の心の襞を四季折々の情景と共に耕し、情感豊かな人々を育てているのではないかと感じさせられた。
田舎に引っ越してきたサツキ・メイの姉妹と不思議な生き物との交流を描く「となりのトトロ」。
最初に劇場で観たとき、そうそう、こういう映画を待っていたんだよと快哉を叫びたくなる作品だった。日本を舞台にこれほどファンタジックな世界が展開された例があるだろうか。サツキとメイがトトロの胸にぶら下がって飛ぶシーンは、何度見ても泣いてしまう。
田舎の情景があまりに素晴らしいため、時折見返したくなる。久石譲の音楽もそよ風のように心地良い。温かみに満ちたジブリの名編。
しんちゃんのとーちゃん、ひろしがギックリ腰になってしまう。治療を受けて帰ると、ロボットになっていたことに気付く。
クレしん映画22作目であり、初めてひろしが主役となった。父親の存在を問う感動作。
クレヨンしんちゃんの劇場版第11作「嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード」。
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」で、富岡製糸場から前橋まで3人の女の子が主人公楫取素彦に会いに来るシーンを見て、この映画を思い出したことがある。「こんにちは」といって登場するのはよいのだが、富岡製糸場から前橋までは25km以上ある。馬車でいける身分でもなく、鉄道もまだ開通していない時代、徒歩では5時間以上かかる。往復10時間。すごいなあ。
「嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード」では、しんちゃんがいつの間にか自転車で箱根や熱海にいる。時間と空間を超越しているのだが、こちらはギャグまたギャグの楽しい作品で、そんなことは全く気にならない爽快さがある。
焼肉が必ず食べたくなる、ぶっとびクレしん映画。
ペットたちの活躍を描くCGアニメ「ペット2」。「ペット」の続編で、動物の描写や表情がより細やかになっている。桜が咲き誇るニューヨークから始まる。背景描写が素晴らしい。
気軽に家族で見られる映画。
最も感動した映画、何度思い出しても感動する映画を挙げるとすれば、ためらうことなく原恵一監督の「映画クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲」を挙げる。この作品は別格である。
1970年の大阪万博のシーンから始まり、昭和のノスタルジーを漂わせながら、今を生きることをじっくりと考えさせてくれる。お笑いの要素を散りばめつつ、心底感動させる脚本は、奇跡的。こどもの日に家族で見て、その感をいっそう強くした。
全ての世代が楽しめ、見る人の心を暖め、家族や自分の人生を大切にしようと自然に思わせてくれる。日本映画の傑作中の傑作。
是枝裕和監督による映画「万引き家族」。樹木希林の老婆とともにそれぞれ過去を引きずりながら暮らす人々の人間模様を描く。
リリー・フランキー、安藤サクラの夫婦が独特の存在感を示す。松岡茉優、城桧吏との微妙な関係が、絶妙な空気感を作っている。佐々木みゆ演じる少女が、「誰も知らない」の少女のようにいつまでも心に残る。
駄菓子屋の店主、柄本明がいい。ワンシーンだけの人々それぞれに愛着を覚える。
家族のありようを鮮烈な脚本で示した、第71回 カンヌ国際映画祭パルムドール賞受賞作品。
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