トロン

 ディズニー最初のCG映画は1982年公開の「トロン(TRON)」である。公開当時、大学生であったが、CGに興味を持っていたので映画館へ見に行った記憶がある。ネットワークの世界に生きる悪の組織を倒すという話だったようだ。肝心のCGの部分は、当時でもそれほどインパクトを感じなかったように思う。バイクのような乗り物に変身して疾駆するCGが有名なシーンだったようだ。CGを画面全体で使うエポックメイキング的な作品なのだろうが、実写とCGがあまりに分離していたような印象が強い。ディズニーが表現の試行錯誤をした史跡的な作品か。でも、今見ると意外と興味深いかもしれない。

トロン
ジェフ・ブリッジズ スティーブン・リズバーガー ブルース・ボックスレイトナー

JavaScript「超」入門

 豊富な具体例で学べるJavaScript入門書。「Web上でこんなことをしてみたい」という部分から入る動機付けがよい。
 オールカラーで図も多く、見やすく分かりやすいレイアウトも好感が持てる。
 自ら試行錯誤をして身につけるための最初のステップを与えてくれる良書。

確かな力が身につくJavaScript「超」入門 第2版

AI崩壊

 医療システムなどが人工知能に依存する社会を舞台にした映画「AI崩壊」。大沢たかお主演、入江悠監督の2020年公開作品。
 人工知能が発達した社会はよく描けている。しかし、後半は「逃亡者」や「君よ憤怒の河を渉れ」などの昔のサスペンス映画を思わせる展開。
 意外とお気楽に見られる映画。

AI崩壊

インターンシップ

 巨大企業 Google のインターンシップに参加した中年コンビを描くコメディ映画「インターンシップ」。ヴィンス・ヴォーンとオーウェン・ウィルソンが、ネットの専門知識もない中で、アイディア勝負で奮闘する。
 Google の社風も垣間見られ、気軽に楽しめる映画。

インターンシップ (字幕版)

わかるPython

 2021年、学校教育においてプログラミングの学習をどう進めるか、問われる年になるだろう。
 文部科学省のGIGAスクール構想の一環として、一人一台のノートパソコンやタブレット端末が配備された。これをどう生かすか、その活用の方向を見定めていく年にもなる。
 手元にパソコンがあるため、プログラミングを学ぶことで児童・生徒自身も活用の幅が広がってくるはずである。プログラミング教育の意味合いはより大きくなっていくであろう。

 現在、デスクトップパソコンで初学者はスクラッチなど「ヴィジュアル系」の言語で学ぶケースが増えている。しかし、本来は「言語」であるため、テキストベースのプログラミングをどこかで学ぶ必要があるだろう。どの言語で何を学ぶか、選択肢はあまりに多い。

 Python は、多くの言語の中でも書法がシンプルで、科学技術計算との親和性もよく、学習に適した言語のひとつと思われる。人工知能の開発に使われることもあり、応用にもつながる言語である。
 数学・理科との連携を見据えた点においても、たいへん優れた学習用プログラミング言語である。今後、教育における活用の幅が広がっていくと思われる。

 Python に関する書籍は様々あるが、「わかるPython」は、初心者にとって学びやすい本のひとつである。まず、レイアウトが工夫されており、見やすい。シンプルな例題をもとに文法が丁寧に説明されている。
 オブジェクト指向、ライブラリの活用までふれられ、実践の方向が見えてくる構成になっている。教育的配慮のよくなされた良書と感じた。

 ソフトウェアやネットワークの重要性が増していく現在、日本が国際社会に伍していくためにも、理数教育の充実は急務である。プログラミング学習は、その鍵を握っている。
 一人一台が実現するとき、いかに質の高い教育につなげていくか。本年はその可能性を追究し、教育の充実を図る正念場になるであろう。

わかるPython[決定版]

低レ研

 「低レ研」-人間の尊厳に対する真摯な挑戦!

 書名とサブタイトルから、何が書いてあるのかまるで想像できないこの本は、1993年に雑誌アスキーに連載され、多くの人に影響を与えた(らしい)エッセイである。そうそう、タイトルは「低レベルソフトウェア研究所」の略である。で、だいたい本の内容はわかっただろうか?

 このエッセイが連載されていた当時は、まだウィンドウズもなく、それだけに、パソコンの発達にまだワクワクできる時代だった。個人が開設するBBS、パソコン通信が華やかなりし頃で、ソフトウェア以上にパソコンのハードウェアに関心を持つ人も多かった。そんな背景で書かれいるが、今読んでも実に楽しめる。

 個人的には、「追及!パソコンライター達の午後」が気に入っている。そば屋の評価をライターがする話だが、ほんとに腹を抱えて笑った。

 作者の丹羽信夫さんは、パソコンの本を数多く著しており、今でも膨大な量の情報発信をしている。

 1995年以前のパソコン事情を見てきた人には、手に入れば、是非読んでいただきたい本である。あの時代の熱気と楽しさがよみがえってくるだろう。

低レ研―人間の尊厳に対する真摯な挑戦!
丹羽 信夫

英語学習法

 最近パソコンで行っている英語の学習法を紹介したい。
 まず、「えいご漬け+対話」をパソコンにダウンロードする。このソフトは、読み上げられた音声をキーボードで入力するものである。
 "Daily Life","Entertainment & Leisure","Buisiness","Science & Technology"などのジャンルに別れ、それぞれ豊富なシュチュエーションの対話文が用意されている。

 学習は、"Word & Sentence" と "dialogue" の2段階に分かれている。
 "Word & Sentence" では、単語が表示され、続いてそれを用いた例文が表示される。各シチュエーションごとに10~25程度の単語が出題されるが、一回の出題は10問であり、スモール・ステップで学習できる。
 全単語が学習できたら、 "dialogue" に挑むことになる。いままで出てきた単語が使われたネイティブの会話が流れ、それを聞き取ってキーボードで入力していく。

 さて、ここからがポイント。ヘッドセットを用い、音声を聞き、入力した後、"Google 翻訳" に自ら発音して英語を認識させるのだ。これできちんと認識してくれれば、発音も正しいことになる。ところが、精度の問題もあるのかもしれないが、なかなかうまく認識してくれない。勢い何度も話すことになる。これが良いトレーニングになるのだ。すぐに認識してくれると、励みにもなる。 もっとも、自分の場合はまったく別の意味になることの方が多いのだが……。

 「えいご漬け+対話」 ->  「Google 翻訳」 により、聴くこと、書くこと、話すことがほぼ同時に学習できる。何日も続けることにより、発音もだいぶまともになってきたように感じる。AIが認識してくれるのだから、人にも分かってもらえる発音になっているのではと思う。
 「Google 翻訳」、結構学習にも役立つソフトである。

 Google 翻訳

えいご漬け+対話 [ダウンロード]

英単語・熟語ダイアローグ 1800 三訂版

栗林みな実 Overture

 栗林みな実のベスト選集。切ない気持ちが、澄んだ声でみずみずしく歌われる。やはり、「マヴ・ラヴ」の音楽はよい。

栗林みな実 / 栗林みな実BEST ALBUM Overture [CD]

英雄伝説 5 海の檻歌

 ファルコムのゲーム「英雄伝説 5 海の檻歌」は、ガガーブ・トリロジーの最後にあたる作品。若き頃、旅芸人として諸国を演奏してまわった老人が、伝説の作曲家レオーネの遺品を見つけたことにより、孫とその娘、愛犬と共に再び旅に出る。
 RPGの魅力の一つは、実際に旅をしている気分にさせてくれることだが、この作品は見事にそれを実現している。変化に富んだ地形、風光明媚な土地、個性豊かな都市と、進むたびにワクワクする。戦闘シーンもよく練られており、戦略性の高い攻撃ができる。
 何より、音楽があまりに素晴らしい。この作品のテーマそのものが、失われたメロディを探すというものであり、各地でメロディを集めながら演奏活動がなされていく。コンサートのシーンでは、プログラミングの面でも多くの手間をかけていることが伺える。
 練られたストーリーと美しい音楽、職人芸的なグラフィックスに彩られ、プレーヤーを最後まで飽きさせないRPGの名作中の名作。
 なお、鳥肌が立つほど素晴らしいオープニングを手がけているのは「君の名は。」の監督、新海誠。

英雄伝説V 海の檻歌 新パッケージ版
新海誠

人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの

 対話型ロボット、自動運転、医療診断など、人工知能のトピックスが随分とニュース等を賑わせている。囲碁や将棋で人間に勝つなど、フレームの決まった問題に対して、人工知能は人間の能力を超える力を発揮している。
 ネット上の情報を収集・分析するビッグ・データ解析の性能も恐るべき勢いで向上している。人工知能は今後、産業・社会に大きな影響を与えていくことは間違いない。発展する人工知能はどこに向かおうとしているのか。人類に脅威を与える存在になりうるのだろうか。
 本書は、人工知能研究の歴史と今を語り、今後の方向と可能性を記している。人工知能研究者によって著された本であり、特徴表現学習、ディープラーニングについては詳細に書かれている。
 人工知能研究の「知の格闘」の軌跡が興味深い。冬の時代を生き抜いた研究者の不屈の精神も感じられる。また、人工知能の方向についても冷静に分析され、見通しを持つことができる。丁寧な記述からは、人工知能について分かりやすく伝えたいという思いがひしひしと感じられる。
 人工知能の過去・現在とこれからの展望を示した良書。 

人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書)
松尾 豊

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