赤い運命
1976年に山口百恵が主演したドラマ「赤い運命」のリメイクが、10月4日から6日の三夜にわたって放映された。今回の主役は、綾瀬はるか。
つい、のめり込んで見てしまった。特に、第1話の次から次へと展開する密度の濃いストーリーは、小気味が良かった。「義経」のような、まったりとしたところがなく、常に緊迫感が漂っていて、充実の2時間だった。
「抗しえぬ運命の歯車が、ついにまわりはじめたのだった。
運命のいたずらとはいえ、あまりにも残酷な仕打ちであった…」
「…心の中で言いようのない悲しみと疑惑が渦を巻いていた…」
「…巨大な運命の高波が飲み込もうとしていた…」
石坂浩二のナレーションがドラマを盛り上げる。ここまで無理矢理引きずり込まれると、それがあまりに作り物っぽくっても、逆に心地よくなる。
ドラマを支えているのは、なんといっても綾瀬はるかの健気さだ。ここまで自分を犠牲にしなくてもと思えるほど、人に尽くしている姿が自然に映る器量はたいしたものだ。船越英一郎の、役者魂をこめた演技も見応えがあった。榎木孝明の苦悩する姿、紺野美沙子のうるんだ瞳もよかった。渡辺いっけいは、重いドラマに軽さを添えるアクセントか?
「あんたはお日様の下を歩いちゃいけないの。ドブネズミのようにドブをコソコソ這い回りなさいよ。ドブネズミ!」
殺人者に引き取られた綾瀬はるかを指さして、検事の娘として引き取られた幼なじみ(佐藤千亜妃)が言うセリフ。激しいが、なんだか懐かしい感じのするシーンだった。そういえば最近ドブネズミを見かけなくなった。
「お日様の下を歩く」という意識は、今の高校生にはあるんだろうか。
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