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風林火山 9

 「孫子曰く、兵は詭道なり。故に、能なるもこれに不能を示し、用なるもこれに不用を示す。その無備を攻め、その不意に出づ。」

 武田晴信が、父信虎が一ヶ月以上かけても落とせなかった海ノ口城を、わずか一夜で落城させて帰る。しかし、信虎は、城を放ったまま戻ったことを激怒し、晴信を打ち据える。そのとき、晴信は孫子の言葉を引き、「これみな、父上の教えにござりますぞ。武田家の嫡男として、こたびのお叱りは決して疎かにはいたしませぬ」と語る。後の信玄は、この時より家臣団からの敬意を集めることになる。
 ドラマは、勘助と晴信との再会、父子の確執、諏訪頼重の娘由布姫の登場、晴信の父追放の決意など、実に密度が濃い回であった。

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