ニュートン
「物質を引っぱる力は、宇宙全体にみちている」
万有引力の法則、微積分法の確立、光の分析、数々の偉大な業績を残した近代科学の父、ニュートン。その伝記を息子の音読によって聴き、人間ニュートンの側面を知ることができた。養父との確執、孤独な青年時代、ペストが吹き荒れる中でも失われることのなかった、不屈の探求心。
ルターの宗教改革、成長する市民階級、議会と国王との対立で揺れ動くイギリス。著者は、ニュートンの生きた時代背景を丁寧に記し、近代科学が築かれる社会の雰囲気を伝えている。
ニュートンの偉大な業績の多くは、25歳までの間に着想や発見の糸口が認められるという。そのためか、後半生の記述はそれほど多くない。実際の理論や数式と向き合うことが、もっともニュートンにふさわしい対話の仕方と言うことであろうか。
息子がニュートンの伝記で感心したのは、未熟児で生まれたのに、体調がすぐれないと自分で薬を作って体を治し、84歳まで長生きをしたことだった。
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