チョコレート戦争
小学生の時に学校の図書室で読んで、今でも忘れられない本のひとつが「チョコレート戦争」。当時は、洋菓子など滅多に食べられなかったので、作中のエクレールを少年が食べるシーンがあまりにうまそうで、印象に残っていた。
最近書店に行って、この本の背表紙がふわりと浮き上がって目に飛び込んできた。すぐに手にとり、小学2年生の次男に読んでほしいと思い、購入した。子どものために買ったつもりだが、実は自分が読みたかったのかもしれない。
再読して、小学生の心のうごきに、すっと共感した。子どもの側だけでなく、洋菓子店の社長の過去など、大人の世界にもふれ、ふくらみのある物語だ。
我が家にこの本が置かれることになったのは、登場人物ひとりひとりにそそがれる作者の暖かい思いが、30年以上前に読んだときに心の奥にしまわれたためかもしれない。
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