実践に学ぶ情報教育
情報教育に関する本としては、たいへん古い本である。しかし、この本には古びるどころか、むしろ見直さなければならない大事なことが多く記されている。
現在、電子黒板が普及し始め、それを用いて教師が教科書や実物、生徒のノートなど様々な教材を大きく提示して分りやすい授業が行われる環境が整いつつある。生徒の発表活動にも電子黒板は活躍し、表現させる授業の幅が広がった。
2002年発行の本書には、これら提示・発表の視点以外にも、コンピュータやネットワークの特性を活かした実践が多数紹介されている。「方法知」「協同学習」「問題解決」など、現在でも重視しなければならない視点が多い。
ネットワークそのものも、この10年、高速化は図られたが、しくみそのものはほとんど変わっていない。情報教育にもどれほど変化がみられただろうか。
コンピュータを用いて論理的な思考をやしなう工夫などは、むしろ10年前、20年前のほうが多くの実践がなされていたように感じる。
「教育の情報化」を考える際に、いまだに紐解く価値がある本であると感じる。
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