100分 de 名著 アインシュタイン『相対性理論』
NHK100分de名著 アインシュタイン『相対性理論』は、「動いているものは時間の進み方が遅くなる」などの、相対性理論から得られる現象を、分かりやすく解説している。
テレビでは映像を用いて、親しみやすい工夫がなされていた。テキストも、図や写真を併用しながら、なるべく数式を使わずに説明がなされている。
GPSの人工衛星では、秒速4kmで地球を周回しているため、時間が1日にほんの少し遅れる。また、重力が弱いので時間がわずかに進む。それらを加減した値を補正して、GPSの時刻は運用されている。つまり、相対性理論の一見信じがたい結論は、実際に応用されているのだ。
宇宙規模で物事を捉え、原子レベルの正確さで時間が計測できるまで、科学がマクロとミクロの両面で進化を遂げたことにより、相対性理論の実証がなされ、実生活でも応用されている。その事実を多くの人に的確に伝えるだけでも、このテキストの意義は大きい。
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