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非情な殺人犯と、その被害者側双方が実に丁寧に描かれている。文庫本5巻に及ぶ大作だが、時間を忘れて読むことに没頭した。 第1部の緊迫感で作品にぐっとひきこまれる。第2部では、視点は違うが、曾野綾子の「天上の青」を彷彿させるものがある。第3部では、至る所に張られた伏線の妙を味わえる。冒頭からラストまで、様々な人物を彩なしていく巧みな筋運びは、まさに職人芸。 個人的には、豆腐屋のご主人や、ソバ屋の旦那さんの描写がいいと感じた。あまりに凶悪な殺人を描いているが、それに関わる人々を描く筆致に暖かさがあり、その対比の鮮やかさがこの作品に魅力を与えている。
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