犬神家の一族
何度も見たい映画というのは、実はそう多くない。「犬神家の一族」は、なぜか何度でも見たくなる作品である。今回、子どもたちも大きくなったので、家族で見た。
随所に日本映画の良さがある。人々の佇まいだけで伝わる独特な雰囲気。情景、家屋の趣きがいい。その舞台で、名優たちがお互いの個性を競いあう。市川崑の凝ったカメラワーク、凝縮された脚本が映画を引き締める。
横溝正史のおどろおどろしいミステリーを、懐かしき風情と人々の所作、そして大野雄二のあまりに美しいテーマ曲が彩る。様々なエッセンスを詰め込んだ、印象に残る日本映画。
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