どろろ
手塚治虫による漫画「どろろ」。父親が自らの野望のために魔物の生贄とされ、体の48箇所を欠損した状態で生まれた百鬼丸をめぐる物語。生まれてすぐ川に流された百鬼丸は、医者の寿海によって救われ、義手や義足、義眼を補われて成長していく。魔物を倒すごとに奪われた体の部分が戻っていく。
百鬼丸に魔物に襲われているところを救われた子ども「どろろ」は、共に旅をすることになる。
子どもの頃、「週刊少年サンデー」に連載されている「どろろ」を見て、怖いと感じると同時に、その不思議な世界に惹かれる思いがあった。成人となりあらためて通して読むと、テーマの重みと深遠さに感銘を受けた。
どろろの軽妙な動きが物語の暗さを救っている。その卓越した表現技法にはうならされる。
連載開始は1967年。時を越えて今なお多くのクリエーターに刺激を与え続ける名作。
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