宮川泰 テレビテーマ・ワールド
「シャボン玉ホリデー」は、ザ・ピーナッツがオープニングを歌い夢のように番組に誘われる。「ゲバゲバ90分!」の楽しさと高揚感に溢れるテーマは、聴いただけで心が浮き立つ。最初の2曲だけで宮川音楽の世界に魅了される。
「ひるのプレゼントテーマ」も、ああお昼休みだと自然とスイッチが切り替わる曲。
「カリキュラシーン」は、教育番組の形をとったオトナの映像。ひらがなや算数をネタにしながら、切れ間なくぶっとんだコントが続く。出演者も豪華であるが、音楽がどれも素晴らしい。オープニングは、NHKの「チコちゃんに叱られる!」のテーマ曲にも採用された。
「あいつのあたまは あいうえお」で始まる「行の唄」は、未だに耳から離れない名曲中の名曲。1番は宮川泰自身が歌っている。
タイルと動物や物と関連づけるシーンが多かったが、「タイルを置こう」の音楽も印象に残る。
アニメでは、「ワンサくん」のショー・ビジネスのような華やかでモダンさ。そして、不朽の名作「宇宙戦艦ヤマト」の音楽群。日本人であれば耳にしない人はいないのではないかという勇壮なオープニング、「真赤なスカーフ」の限りない哀愁。
「たまりまセブン」など、ドタバタ番組のオープニングにも宮川の音楽はよくあった。
「ズームイン朝」も、目覚めの一日のスタートへのきっかけを与えてくれる勢いがありつつ、繊細な音楽。
宮川泰が作曲した一部をあげただけで、いかに日本人の生活に入り込んでいる音楽であるかが分かる。テレビの黄金期に膨大な曲を生みだし、人々に楽しさと希望を与えてくれた稀代の作曲家であった。
テレビのワクワク感がつまった、時代を超えて心に寄り添うテーマ曲集。
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