包丁人味平

 「包丁人味平」は最もわくわくした漫画のひとつ。1973年から1977年に週刊少年ジャンプに連載された作品であり、子どもの頃、その単行本の発売が待ち遠しくてしょうがなかった。
 日本料理人の息子「味平」が成長していく物語である。まだ「グルメ」という言葉すら日本に存在していなかった時代、様々な料理や料理人の姿が描かれていた。
 小さな洋食料理店の修行に始まり、「包丁試し」「点心礼勝負」といった料理の対決が繰り広げられる。また、デパート間の経営上の威信をかけた「カレー戦争」など、組織としての対決も見られた。
 そこでは大小の料理に関する蘊蓄が繰り広げられる。原作者牛次郎お得意の大風呂敷のものもあるが、それはそれでまことに楽しい物語であった。
 料理の多様さと料理人の矜持を、昭和の熱気の中に描く「包丁人味平」は、職業漫画のルーツであり、日本漫画界のエポックメイキングとも言える名作である。

包丁人味平 〈1巻〉 包丁試し1

包丁人味平 全12巻セット (集英社文庫―コミック版)

およげ! たいやきくん アニバーサリーベスト

 1975年、子ども番組「ひらけ!ポンキッキ」の中で子門真人が歌う「およげ! たいやきくん」が大ヒットした。
 たいやきが海に逃げ込むという、独特のシチュエーションの歌詞。たいやきがエビを食う?海から釣りあげたたいやきをおじさんが食べてしまう?感染症対策に追われる現代では卒倒しそうな歌詞であり、なかなかにシュールである。
 「およげ! たいやきくん アニバーサリーベスト」は、2017年に発売された40周年記念CDアルバム。子門真人のオリジナルの他、「いっぽんでもニンジン」、水木一郎やスコット・マーフィー、ダイアモンド☆ユカイのカヴァー、つりビットの「およげ!たいやきあんこちゃん」、山本リンダの「私の恋人、たいやきくん!」、所ジョージの「泳げたいやき屋のおじさん」など、多くのカヴァーや派生曲が収められている。
 頭からシッポまで中身がつまったうまそなアルバム。  

およげ! たいやきくん アニバーサリーベスト

達磨寺 鼻高展望花の丘

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 今年は家族で遠出をしなかったので、年賀状用の写真を撮るために近くの少林山に行く。
 少林山達磨寺は群馬県高崎市の古刹であり、縁起物の生産地に近く多くのだるまが奉納されている。
 晩秋であり、人もあまりいないであろうと思っていたが、意外なことに寺の駐車場には多くの車が停まっていた。しかも県外のナンバーが多く、紅葉のシーズンでもあり人気のスポットだったのかもしれない。

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 境内からは榛名山などが望まれ、紅葉に彩られた風景が見られる。

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 達磨寺からほど近い、鼻高展望花の丘に行く。四季折々の花が植えられているスポットである。コスモスの季節が有名であるが、晩秋にもかかわらず鮮やかな色合いの花が植えられていた。
 花畑の向こうに、高崎市街や榛名山などが遠望できる。広やかな景色に心も自然とおだやかな気分になる。

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 近くの長坂牧場からの眺望も素晴らしく、新鮮なミルクで作られたソフトクリームを食べながら景色を満喫した。Hanadaka06_2
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 鼻高の高地からは、浅間山、妙義山など群馬を囲む霊峰が一望できる。
 これら峨々たる山塊が、群馬県人の心の襞を四季折々の情景と共に耕し、情感豊かな人々を育てているのではないかと感じさせられた。

少林山 達磨寺

長坂牧場 みるく工房タンポポ

天皇の料理番 12

 ドラマ「天皇の料理番」最終回。敗戦国となった日本はGHQの統治を受ける。篤蔵は、天皇陛下の料理番として、GHQとの関わりを模索する。
 敗戦直後の様々なエピソードを織り交ぜながら、料理人の生き様を多くの人々との関わりの内に描く。
 明治、大正、昭和と移りゆく時代の中を、精一杯走り抜ける主人公の姿が魅力的であった。それを支える多くの人々との関わりがじっくりと描かれ、胸に迫るシーンも多かった。
 料理や背景、小道具に至るまで実に丁寧に作られ、それぞれの時代の雰囲気を醸していた。近代日本の姿を再現したという意味でも貴重な作品ではないか。
 俳優の名演とスタッフの熱意が結実した、真にまごころがこもったドラマであった。 

episode12 完結~料理番の人生敗戦の料理番がGHQに起こした愛の結末

天皇の料理番 11

 ドラマ「天皇の料理番」第十話は「皇居編~最愛の人と最後の晩餐」。主人公と家族との関わりをじっくりと描く。黒木華演じる俊子の楚々とした佇まいが素晴らしい。
 支え合う家族の姿が、説得力をもって表現された回。

episode11 皇居編~最愛の人と最後の晩餐

天皇の料理番 10

 ドラマ「天皇の料理番」第十話は「皇居編~関東大震災と家族の決意」。関東大震災での宮中料理人の対応を、篤蔵と息子との確執をからめて描く。
 秋山徳蔵氏(篤蔵のモデル)の三男、蜂谷三郎さんの話では、小学生の頃、父親が料理人であることが恥ずかしく、「質屋」といってごまかしていたらしい。それほど当時料理人の地位は低いものであった。そのことが、今回表現されている。
 歴史の一断片を描いた回。

episode10 皇居編~関東大震災と家族の決意

天皇の料理番 9

 ドラマ「天皇の料理番」第九話は「皇居編~ザリガニと御即位の御大礼」。
 皇居に趣いた篤蔵をまっていたのは、しきたりに縛られた厨房であった。篤蔵に与えられた任は、即位の御大礼で二千人に及ぶ人々に振る舞う料理の献立であった。それは、日本の文化程度を示す料理を作り出すことでもあった。
 パリから帰国して様々な人々との再会シーンがよい。皇居では、篤蔵の上司である農学博士の福羽 逸人が存在感を示す。
 そして、クライマックスでの御大礼の料理。念入りな考証の基、再現された料理が素晴らしい。本作の愁眉となる回。

episode9 皇居編~ザリガニと御即位の御大礼

天皇の料理番 8

 ドラマ「天皇の料理番」第八話は「パリでの卒業式」。パリに来て3年がたち、篤蔵はオテル・リッツの料理人として腕を上げていた。そんな折、大使館からお呼びがかかる。外交官粟野から、「天皇陛下の料理番」となる要請が告げられる。
 ベル・エポックのパリ、日露戦争に勝利し一等国として西洋に認められるため欧化政策を強化する日本。それを背景として、篤蔵は料理の腕を認められ宮中に趣くことになる。
 歴史のうねりにチャンスを得た時代の子を描いた作品でもある。

episode8 パリでの卒業式

天皇の料理番 7

 ドラマ「天皇の料理番」第七話は「パリと差別と結婚」。明治42年、篤蔵はついにパリに到着する。日本大使館の粟野に、オテル・マジェスティックという一流ホテルを紹介され働き始めるが、同僚から東洋人として蔑視される。
 パリの風光明媚な街を背景に、篤蔵は一本気に突き進む。日本で磨いた技量は、ホテルでも高く評価されるが、時代を背景とした人種の壁が描かれる。
 外交官粟野役の郷ひろみは、スタイリッシュな演技で存在感を発揮する。フランソワーズを演じるサフィラ・ヴァン・ドーンのチャーミングさが印象に残る。
 パリを舞台に、主人公がひた駆ける濃密な回。

episode7 パリと差別と結婚

天皇の料理番 6

 ドラマ「天皇の料理番」第六話は「愛と命の果てパリ」。バンザイ軒での篤蔵のカレーは評判となり、長蛇の列ができる。しかし、やがて客足は遠のいていき、篤蔵の気持ちも漠然と流れていく。そんな中、ある人物がバンザイ軒を訪れ、篤蔵の料理を注文する。
 主人公を支える人々の気持ちが、痛いほど伝わる。感動の嵐をよぶ、前半部のクライマックス。  

episode6 愛と命の果てパリ

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