マスター・アンド・コマンダー
19世紀初頭、イギリス軍の艦船とフランス軍武装艦との戦を軸にした海洋叙事詩。当時の雰囲気を極めて忠実に再現している。海上戦のシーンは圧巻で、ヘタなSFXなどは足下にも及ばない迫力がある。
戦の負傷で足を切断する少年兵、船の上で脳の手術まで行う医師、部下を統率できずに悩む若き士官など、様々な人々が存在感をもって描かれている。特に、ラッセル・クロウ演じる艦長が素晴らしく、真のリーダーのあり方を考えさせられる。
ガラパゴス諸島で実際に撮影された映像も、独特の魅力がある。
女性はほとんど登場せず、熱い男の世界を描いているにもかかわらず、この映画に品性を感じるのは、人間に対する真摯な眼差しが監督にあるからだろう。
余韻の残る一級の映画。
マスター・アンド・コマンダー
ラッセル・クロウ ピーター・ウィアー ポール・ベタニー
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