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脳梗塞からの再生

 昨日(2005年12月4日)放映されたNHKスペシャル「脳梗塞からの“再生”~免疫学者・多田富雄の闘い~」を見る。多田富雄氏の著作「免疫の意味論」を10年ほど前に読み、たいへん感銘を受けた。生体反応を研究し続けた著者が、自己の変化とどう向き合ったのか、失礼かもしれないが、関心があった。
 多田氏は4年前に脳梗塞で倒れ、右半身不随となり、喋ることもできなくなった。第一線で活躍していた学者が、一夜にして話すことができず、歩くこともできず、自分で食べることすらできなくなる、その苦痛はいかばかりだったろうか。一時は死ぬことばかり考えたという。
 しかし、リハビリを続け、少しづつ自分の機能が戻り始めたことから、自己を見つめ直す。
 電子音声が出る装置のキーボードを叩き、家族と会話をするだけでなく、研究生を叱咤する。パソコンを始め、片手でキーボードを押してメールはおろか、本の執筆までこなす。それのみならず、能を創作し、演出を手がけ、上演まで行う。
 その前向きな姿に、ひたすら頭が下がる思いだった。
 

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