刑事追う!
NHKの大河ドラマ「功名が辻」を見て、1996年にテレビ東京系列で放映された、刑事ドラマの傑作、「刑事追う!」を思い出した。役所広司と布施博が主役。1話完結形式で、市川崑、工藤栄一、舛田利雄、佐藤純弥など、そうそうたる映画監督が手掛けていた。
降旗康男監督の「陰画」を見たのが最初だが、刑事物というようり、文芸作品を見るようであった。毎回、監督や扱うテーマが異なり、ヴァラエティに富んだ魅力があった。
なぜ大河ドラマを見て「刑事追う!」を思い出したかというと、記憶にひっかかっている回があるからだ。
「功名が辻」のドラマは、1997年に壇ふみ・宅間伸主演でテレビ朝日系列でも放映されている。戦国ものの割に、からりとした雰囲気のドラマだった。
この山内一豊役の宅間伸が、「刑事追う!」の最終回、市川崑監督の「再会」で、ゲスト出演していた。この回が、いままでの回と雰囲気がだいぶ違っていた。まず、主役の役所広司が、いままではあまり喋らないクールな刑事だったのだが、最初のほうで、やけに嬉しそうにべらべらと喋っている。そして、市川監督独特の演出で、刑事物というより、やはり文学作品風の世界を作っていた。役所広司が久しぶりに会うという人物を、宅間伸が演じていた。
この回のストーリーが、安部公房原作の「夢の兵士」に酷似していたように感じられてならなかった。「夢の兵士」は、確かNHKでも大昔にドラマ化されていたかすかな記憶があるのだが、定かでない。夢の中で見たのだろうか。それらを是非確かめたいのだが、「刑事追う!」もドラマ化された「夢の兵士」も、今見るすべを知らない。
いずれにしても、「刑事追う!」という名作を全回見てみたい。
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