だめだこりゃ
「だめだこりゃ」は、いかりや長介の自伝。音楽活動への思い、ドリフターズの入団から、全員集合のヒット、メンバーとのエピソード、俳優への転身など、テンポ良く書かれている。実に興味深く、楽しく読めた本だった。
個人的には、火曜サスペンス劇場の「取調室」シリーズが好きだった。密室でのやりとりは、刑事と犯人との2人の演技にすべてがかかっている。緊迫感の中にも飄々とした雰囲気を失わずに演じられるのは、この人しかいなかったのでは。人間的な厚みを感じさせる人でなければ、犯人を落とすことはできない。落とすほどの説得力を持つ体験を自らしてきたいかりや長介だからこそ、演じられる役だったのではないか。自伝「だめだこりゃ」を読んで、その感をより強くした。
3月20日で3回忌を迎える。ご冥福をお祈りいたします。
だめだこりゃ
いかりや 長介
コメント