KENJIの春
宮澤賢治の情熱と苦悩を、様々な表現技法を駆使して描くアニメーション。宮澤賢治生誕100周年を記念した作品であり、河森正治が監督と脚本を担当した。杉井ギサブロー監督のアニメーション「銀河鉄道の夜」と同じく猫がメインのキャラクターとなっている。しかし、「銀河鉄道の夜」と比べ、その表現は極めてアクティブであり、めまぐるしいほどである。
岩手の自然や町並の描写がリアルで素晴らしい。それゆえ、賢治の半生を追い、世界観を示すことが意図であれば、登場人物が猫でなくてもよかったのではと感じた。もっとも、賢治の純粋で宇宙的な世界を体現するには、猫が導き手になるのは妥当だという意見もあった。人間主体では生々し過ぎるのだろうか。
イーハトーブ幻想 ~ KENJIの春
佐野史郎 國府田マリ子
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