倒錯のロンド
叙述ミステリーの代表作。ついつい先へ先へと読みたくなる魅力を持っている。トリッキーなミステリーをお望みの方におすすめ。
倒錯のロンド
折原 一
ガッチャマン、バビル2世、タイガー・マスクなどの主題歌は、聴くたびに高揚する感がある。テレビの黄金時代を飾るにふさわしい曲が数々収められた、アニメ世代にはたまらないCD。
テレビまんがデラックス~SFヒーロー
テレビ主題歌 きただにひろし 岡村明美
アメリカの弦楽四重奏団、タートル・アイランド・ストリング・クワルテットによる名盤、「サイドワインダー」。ジャズの名曲を、弦楽器で絶妙にスィングする。そのスリリングな演奏は、ドライブの友として最適。
サイドワインダー
タートル・アイランド・ストリング・カルテット
マーラーに「大地の歌」の楽譜を託されたブルーノ・ワルター指揮による演奏は、この曲の特質をよく表わしている。特に素晴らしいのは、ミルドレッド・ミラーによって歌われる最終楽章「告別」で、たおやかな中に厳しさがあり、自然に引き込まれる。
マーラー:交響曲「大地の歌」
ミラー(ミルドレッド) ヘフリガー(エルンスト) ニューヨーク・フィルハーモニック
声楽に重きをおいた、壮大な交響曲。大編成のオーケストラの他に、2組の混声合唱団、1組の児童合唱、ソプラノ3、アルト2,テノール、バリトン、バスの計8人のソリストを要する規模の大きさであり、「千人の交響曲」と呼ばれている。これはマーラー自身の命名ではなく、宣伝用のキャッチフレーズとして興行主がつけたもの。マーラーはこの副題を嫌っていたそうだが、初演の時には実際に千人以上の演奏者がいた。
曲は第1部と第2部に分かれる。第1部は、「来たれ、創造の主たる聖霊よ」というラテン語の讃歌であり、第2部はゲーテの「ファウスト」の最終場面がドイツ語で歌われる。第1部で地上から天へ呼びかけ、第2部で天へ昇り救われるファウストの霊魂により、地上と天との結びつきを表現している。
この曲はマーラーの集大成とも言える作品で、あちこちにいままでの交響曲の片鱗が見え隠れする。更に、次に作曲される「大地の歌」の東洋的な雰囲気も、ところどころに現れている。第1部の詞の作者はマインツ大司教をつとめたマウルスという聖職者だとされており、宗教曲だが、マーラーが手がけると敬虔さはあまり見えず、大宇宙の賛美という感じだ。
第2部は長大で、荘厳な自然描写に始まり、ゲーテの句をほぼなぞる形で進み、最後に「神秘の合唱」で、ピアニシモから徐々にクレッシェンドしていき、圧倒的な音響で終わる。この第8番の表現の多彩さと華麗さには、ハリウッドの大スペクタクル映画を見るような印象を受けた。
この宇宙が大伽藍に鳴り響く交響曲は、マーラーの曲の中でも唯一初演で大成功をおさめた作品。1910年ミュンヘンにおいて、作曲者自身の指揮による初演に立ち会った3000人の聴衆は熱狂し、演奏後指揮者に向かってなだれ込み、喝采は30分鳴り止まなかったようだ。マーラーの絶頂であった。
これ以降の作品は、マーラーの生前、初演されることはなく、曲調も極度に内省的になってゆく。
マーラー:交響曲第8番
小澤征爾 ロビンソン(フェイ) ブレゲン(ジュディス)
ピエール・ブーレーズとウィーン・フィルハーモニーによる、マーラー交響曲の初ディスク、第6番。ブーレーズは、音楽の自然な流れとウィーン・フィルの響きを大事にしている。そのため、バーンスタインのような渾身の演奏に慣れていると、はじめは物足らなさを覚えるかもしれない。しかし、マーラーの美質を表わす演奏としては、価値があるのではないか。
マーラー : 交響曲第6番イ短調 「悲劇的」
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ブーレーズ(ピエール)
ブルックナーの交響曲第9番は、美しい旋律が次々と表れる、畢生の芸術。
ギュンター・ヴァントの演奏は、あくまでも正統な表現によることで、敬虔さと雄大さがひときわ深まる音楽を形づくっている。
ブルックナー:交響曲第9番
ヴァント(ギュンター) ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ブルックナー
「復讐するは我にあり」は、今村昌平監督入魂の日本映画。緒形拳のすごみ、三國連太郎の複雑な人間像、圧倒される映像表現、どれも一級の力をもっている。
復讐するは我にあり
ミヤコ蝶々 小川真由美 池辺晋一郎
野村芳太郎監督の「鬼畜」は、松本清張の短編を緊迫感溢れる映像に昇華させた日本映画。3人の子供を突然おしつけられた印刷屋の主人役の緒形拳、そして恐ろしい妻岩下志麻の演技が、あまりにすごい。
心を平静にして見ることができない、後々まで印象に残る映画。
鬼畜
芥川也寸志 緒形拳 岩下志麻
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