インドの衝撃
NHKスペシャル「インドの衝撃 第1回 わき上がる頭脳パワー」を見る。インドの頭脳立国戦略を描くドキュメンタリー。
インド工科大学”IIT”では、学生に徹底的に考えさせる教育方針を持っている。模範解答を与えるのではなく、常に答えにたどり着く方法を複数考えさせる。
小学校での教育においても、いかに数学を楽しく学ぶか、どのように法則を見つけさせ、考える力を養うかに力点が置かれている。
インドでは、長年、紙とペンだけで考えるしかない環境であったがために、数学や物理などを得意とする人材が多く輩出された。頭脳が最も大きな資源であり、その強みが最大限に生かされたソフトウェア開発は急速に発展を遂げた。
インドのIT企業「インフォシス」は、世界500社と取引をする大企業で、人材戦略に大きな力を入れている。それを象徴するのが、5年前に360億円の費用をかけて建設した敷地面積70万平方メートルの研修センターだ。6000人が一度に研修できる施設で、優秀な頭脳集団にさらなる磨きをかけている。
ちなみに、インフォシス・テクノロジーズは、2006年10―12月期連結純利益が前年同期比51.5%増の98億3000万ルピー(約265億円)、売上高は同44.4%増の365億5000万ルピー(約990億円)という驚異的な成長率を見せている。
アメリカのジャーナリスト、トーマス・フリードマンは語る。
「すべては頭脳で決まるのです。もはや、地理的概念も距離も意味をなさなくなりました。テクノロジーもインフラも、どこでも誰でも同じようなものを持っています。では、違いは何かといえば、頭脳だけです。世界がフラットになったことで、インドの多くの頭脳が突然世界と繋がり、パワーが爆発したのです。」
貧富の格差がすさまじいインド社会。しかし、頭脳を武器に世界に進出する人材は、自国の地位を高め、教育の機会を広げ、よりよい社会にしようという気概に溢れている。
日本の教育水準は、献身的な教師に支えられ高い水準を保っている。しかし、インドのダイナミズムを見ると、現状に甘んじることなく真の学力を育む工夫や方策の必要性を強く感じる。
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