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ワンピース 44

 ワンピースの44巻で、ようやくCP9編が決着を見た。34巻の青キジとの遭遇をプロローグとし、水の都ウォーターセブンを舞台にしたミステリアスな展開からエニエス・ロビーでの決戦まで、実に10巻にわたる長大なエピソードであった。
 途中、収拾がつかなくなるのではと思われる場面もあった。テレビ放映されているアニメーションも、日曜7時のゴールデン・アワーから、朝の9時半に降格され、回想シーンでお茶を濁すなど、先行きが危ぶまれた。アニメの作り手も不安だったのではないか。原作が一応の決着を見たことで、後を追うアニメの方も勢いを盛り返してきた感がある。
 44巻を読み終えて、あらためて尾田栄一郎氏の構成力に感じ入った。34巻で提示された謎やテーマがきちんとまとめられている。戦闘シーンこそ多いが、少年漫画の王道である、友情や思いがストレートに表現されている。そして何より、主人公たちの長い航海を見てきたからこそ抱ける感慨がある。その感動は、下手な大河ドラマをはるかに越える大きさと重さがあった。

One piece (巻44)
尾田 栄一郎
4088742877

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