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バリー・リンドン

 18世紀のヨーロッパを忠実に再現した寓意に満ちた映画。アイルランド生まれのバリーがたどる数奇な生涯を描く。「2001年宇宙の旅」や「時計じかけのオレンジ」のスタンリー・キューブリック監督が、細部にわたってこだわりを見せている。185分に及ぶ大作だが、どのシーンも優れた絵画のように素晴らしい。
 第1部は、バリーの恋にまつわる決闘からはじまり、村を出てから様々な転機が訪れる。その先がわからない展開は、RPGのテレビゲームのようでもある。音楽も、シリアスであったり間が抜けたようであったりと、変化に富んでいる。古楽の響きがバロックのよき時代を彷彿させる。 
 第2部は一転、のし上がったバリーを襲う運命をゆったりとしたペースで描く。英国ナショナル・ギャラリーの絵を思わせるような優美な映像が堪能できる。
 撮影もたいへん優れており、特に室内の情景はローソクの明かりだけでなされ、ほの暗い貴族社会の夜がユニークな映像になっている。
 1975年度アカデミー撮影賞、美術監督賞、衣装デザイン賞、音楽賞の4部門を受賞。

バリー・リンドン
ライアン・オニール
B000IU4N14

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