小澤征爾 ドヴォルザーク交響曲第9番
ドヴォルザークの交響曲第9番《新世界より》の第2楽章を聴くと、自然に「遠き山に日は落ちて」の詩が浮かんでくる。元はアメリカ民謡であり、ドヴォルザークは新天地アメリカで、ボヘミアへの望郷や愛情の念を抱いてこの交響曲を作曲したと言われる。
家路への途中、この第2楽章を聴き、郷愁のような思いが込み上げ、胸に迫ってきたCDがある。小澤征爾指揮、ウィーン・フィルによる、1991年5月にムジークフェラインザールで行われた、ドヴォルザーク交響曲第9番のライヴ録音である。
このCDは、小澤・ウィーン・フィルの初録音。この記念碑的な演奏は、隅々まで名曲の魅力を伝えてくれる。優美な旋律を歌わせる艶やかな音色、繊細なニュアンスを持ちながら、盛り上がるところは思いっきり白熱する。自然な感情の起伏に溢れたスケールの大きな演奏。
ドヴォルザーク:交響曲第9番
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 小澤征爾
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