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スクリャービン 交響曲第2番

 スクリャービンの交響曲第2番を聴く。アシュケナージ指揮、ベルリン・ドイツ交響楽団の演奏。スクリャービンが29歳にして書き上げた作品であるが、5楽章の大曲。ロマンの香りを含む旋律が次々と現れる中、妖しさと現代的雰囲気をもった響きが明滅する。
 併録されているピアノ協奏曲では、ヤブロンスキーのピアノが作品に生命を与え、みずみずしさを感じる。

スクリャービン:交響曲第2番
ベルリン・ドイツ交響楽団 スクリャービン アシュケナージ(ウラジミール)
B00005FKOX

志ん朝 お直し

 江戸の郭で生きる男女の悲しい性を描く落語。暗さのある題材だが、志ん朝の巧みなリズムで、生き生きとした人情噺になっている。とりわけ、酔っぱらい職人の表現が見事。

落語名人会(13) 古今亭志ん朝(5) 「お直し」
古今亭志ん朝
B00005G6SR

篤姫 7

 NHK大河ドラマ第7回「父の涙」では、於一が暖かい家族の元を離れ、島津大名家の養女となるべく城に向かう。篤姫の原風景となる今泉島津家の壁の品のある紅色と、於一の衣装の華やかな赤色の対比が旅立ちを象徴する。今回は映像の色彩がことに冴えて感じられた。

NHK大河ドラマ「篤姫」

孟嘗君 1

 久しぶりに、わくわくしながら読める本に出会えた。宮城谷昌光による「孟嘗君」である。
 中国の戦国時代を舞台に、数奇な運命をたどる孟嘗君をめぐる小説。簡明な筆致で、スピード感のある物語が展開される。主人公の育ての親、風洪など、魅力的な人物が多数登場し、知略渦巻く戦乱の世を駆けめぐる。そこでは、人々の真の生き様が浮き彫りになる。
 一陣の爽風を浴びたような、清冽な気を感じた第1巻。 

孟嘗君(1) (講談社文庫)
宮城谷 昌光

志ん朝 文七元結

 古今亭志ん朝の「文七元結」は、江戸っ子気質を縦糸に紡がれる名作落語。志ん朝の見事な人物描写に感歎する。簡明にして細やかな表現、大団円になだれ込む勢い、下げの品格、いずれも極めて完成度の高い、人情噺の至芸。

落語名人会 4
古今亭志ん朝
B00005G6N8

授業参観

 「総合的な学習の時間」の授業参観で、地域のことを調べたポスターセッションが行われる。小学4年生の息子は、地元で製作されている「招き猫」について発表した。
 「3年生の時には、チョコレートのことを調べて、頭の中はチョコレートの種類や製法でいっぱいになり、今度は招き猫で、まとめたり発表したりで頭の中は招き猫、招き猫と、招き猫だらけだったよ。」と息子は言っていた。
 実際の研究でも、対象についてずっと考え続けることから成果が生まれる。その体験をさせる学習は、意義が大きいと感じた。

イーグル

 2008年2月現在、アメリカ大統領の予備選挙で、オバマ上院議員は、クリントン上院議員と善戦している。
 かわぐちかいじの「イーグル」は、アメリカ大統領選挙の内幕を描いた漫画。日系三世のケネス・ヤマオカが、アメリカ大統領選挙への立候補を表明し、選挙戦を戦う様が、父子の葛藤などをからめてダイナミックに表現される。その虚々実々の駆け引きは圧巻で、作者の手腕には脱帽した。
 銃規制、戦争、労働争議、人種差別など、アメリカの抱える問題を浮き彫りにしながら、それと向き合う大統領候補の姿を通し、理想のリーダー像を活写する。骨太のテーマにそった見事なストーリー展開であり、その面白さは群を抜く。

イーグル (3)
かわぐち かいじ
4091846831

classical ever! by REQUEST

 クラシックの名曲を集めた"ever!"シリーズの、リスナーからのリクエスト版。名曲中の名曲がずらりとそろっている。演奏者も一流であり、21曲のどれもが心地よい響きを持っている。

classical ever!by REQUEST
オムニバス(クラシック) ラヴェル マスカーニ
B00006F22A

女の一生

 善良な女性を襲う悲惨と苦悩を、練達の情景描写の中に描くモーパッサンの「女の一生」。凡百の浮薄な小説とは一線を画し、読み継がれる名作が訴えてくる力は凄みを帯びている。

女の一生
モーパッサン 新庄 嘉章
4102014012

篤姫 6

 篤姫の第6回では、宮崎あおい演じる於一が、高橋斉彬の養女になることを決心する。斉彬に堂々と向かい合い、養女を受ける凛とした姿が印象に残る。於一の波乱に満ちた人生の幕開け。

NHK大河ドラマ「篤姫」

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