篤姫 19
NHK大河ドラマ「篤姫」第19回は、「大奥入城」。舞台は、江戸城大奥の絢爛たる世界に移る。衣装担当、美術担当の気概と苦労が感じられる。
NHK大河ドラマ「篤姫」第19回は、「大奥入城」。舞台は、江戸城大奥の絢爛たる世界に移る。衣装担当、美術担当の気概と苦労が感じられる。
小学生の時に学校の図書室で読んで、今でも忘れられない本のひとつが「チョコレート戦争」。当時は、洋菓子など滅多に食べられなかったので、作中のエクレールを少年が食べるシーンがあまりにうまそうで、印象に残っていた。
最近書店に行って、この本の背表紙がふわりと浮き上がって目に飛び込んできた。すぐに手にとり、小学2年生の次男に読んでほしいと思い、購入した。子どものために買ったつもりだが、実は自分が読みたかったのかもしれない。
再読して、小学生の心のうごきに、すっと共感した。子どもの側だけでなく、洋菓子店の社長の過去など、大人の世界にもふれ、ふくらみのある物語だ。
我が家にこの本が置かれることになったのは、登場人物ひとりひとりにそそがれる作者の暖かい思いが、30年以上前に読んだときに心の奥にしまわれたためかもしれない。
ヴェデルニコフのピアノによるリストの「ローレライ」「メフィスト・ワルツ第1幕」「エステ荘の噴水」、ラヴェルの「水の戯れ」「クープランの墓」、フランクの「前奏曲、フーガと変奏曲 ロ短調」が収められたCDを聴く。
水面に無数の水滴が落ち、波紋が広がり重なり合うような、自然な響き。完璧なタッチできらめきに溢れた音楽が広がる。
リストは歯切れのよさが光る。ラヴェルの「水の戯れ」は、ピアノが奏でられていることすら忘れさせてくれた。「クープランの墓」は輝きに満ちた絶品。フランクは、惻々と胸に迫る名演。
ロシア・ピアニズム名盤選26 ヴェデルニコフ/リスト、ラヴェル&フランク
ベデルニコフ ベデルニコフ(アナトリー) フランク
桂枝雀の新作落語「茶漬えんま」「貧乏神」の2作が収められたCDを聴く。共に小佐田定雄の作品。「茶漬えんま」は、地獄と極楽を舞台に、閻魔大王や釈迦、キリストなどが登場する奇想天外な落語だが、枝雀の話術でこの世ならぬ面白さを醸している。あの世もこの世も全て飲み込む落語の懐の深さを実感する。
「貧乏神」も、おかしみとペーソスが融和した落語で、これも枝雀のキャラクターが見事に生きている。
子どもが学校の図書室から、手塚治虫による絵本「空とぶラビ」を借りてきた。手塚らしいウィットとヒューマニズムを感じる3作品が描かれている。
空とぶラビ (手塚治虫のえほん館)
手塚 治虫
サザンオールスターズが、デビュー20周年を記念して発売したベストアルバム「海のYeah!!」。ずらり揃った名曲。改めて、サザンのセンスに感嘆した。
海へのドライヴには最高に合うのだろうが、山へ家族で出かけた時に聴いても子どもたちと共に楽しめた。もっとも、子どもたちは、「替え歌メドレー」などの嘉門達夫のパロディから入ったので、「勝手にシンドバッド」を聴いて「これ、嘉門さんが『ラララーララ・ラララー、レレレーレレのお・じ・さーん、ゲゲゲーゲゲのき・た・ろー』って歌っている曲だよね。」というような反応をしていた。嘉門達夫は桑田佳祐とも親しく、許諾が得やすいためか多くの曲が替え歌になっている。嘉門達夫の替え歌メドレーなどを(あまり教育的ではないが)聴かせてしまったため、子どもたちは知っているメロディが多く、だいぶ本物の曲に親しんだようだ。
世代を越えて楽しめるホットでクールなアルバム。
海のYeah!!
サザンオールスターズ 桑田佳祐 トミー・スナイダー
大河ドラマ「篤姫」第18回は、江戸城大奥に篤姫が入る前夜を描く「斉彬の密命」。篤姫を慕っていた尚五郎の縁組、斉彬の正室、英姫は、篤姫との別れの間際に心の通い合いを見せる。そして、斉彬が明かす、篤姫輿入れの真の目的。風呂敷を畳むようにひとつひとつ片を付けていく丁寧な筋運びには好感が持てる。
大奥から篤姫を迎えにきた奥女中の総取締り役、稲森いずみ演じる滝山の凛乎とした美しさにはっとする。今後の波乱を予感させる見事な存在感。
快晴の日、家族で北軽井沢に行く。高崎方面から倉渕を抜け、二度上峠を越えると、眼前に裾野を長く伸ばした浅間山が広がる。山合いのくねくねとした道から、突然雄大な光景が現れ、感動する。
峠から北軽井沢の交差点の間に、浅間大滝に向かう枝道がある。駐車場から10分ほど歩くと、高さ10mほどの滝がある。かなり近くまで行くことができ、滝の迫力と、周りの冷んやりとした空気を味わうことができる。
浅間牧場茶屋に車を停め、浅間牧場の敷地内を通り、ハイキングをする。広大な牧草地の周りには、浅間山や元白根山などが連なる。1時間ほど歩き、目標としていた小高い丘のような天丸山に登り、眺望を楽しみながら、おにぎりなどを食べる。手軽なコースだが、標高は1348mの地点で、澄んだ空気の中に360度のパノラマが広がり子どもたちも満足した。
浅間牧場茶屋に戻り、喉を心地よく潤すジョッキミルクを飲み、濃厚なソフトクリームを食べる。
車で10分ほどで、鬼押出し園に着く。天明3年(1783年)の浅間山噴火によって吹き上げられた岩石や溶岩によって作られた景観が広がる。園内にはコースが幾つかあるが、一番長いコースは、歩いて1時間以上かかる。
奇岩の間を歩くと、噴火のすさまじさが実感できる。この溶岩を運んだ噴火から200年以上を経て、岩の間には多くの植物が生え、中には岩から根をはる松もあり、自然の生命力が感じられる。
北方を眺む見晴らし台からは、殺伐とした瓦礫の向こうに、なだらかな裾野が広がる山々と緑豊かな高原が広がる。そのコントラスト鮮やかな景観は、強烈な印象を残した。
火山博物館を見学し、浅間山の地質、鬼押出しを作った天明大噴火、浅間一帯の植生などをおさらいし、帰路についた。
脳科学者、茂木健一郎と、芸術の一線で活躍している人々との対談集。町田康、金森穣、山下洋輔、立川志の輔、荒川修作の各氏と熱のこもった対談が綴られている。茂木健一郎は、各氏からうまく話を引き出し、アクティブに生きる力の源や方向を示している。各氏がヴィヴィッドな言葉で語る芸術のフィールドやバックグラウンドは様々だが、『未来に向き合うのに必要な「前に進む衝動」を与えてくれる』点で共通している。
芸術の神様が降りてくる瞬間
茂木 健一郎 町田 康 金森 穣
TBSによる世界遺産のビデオ「マチュピチュ遺跡II/クスコ市街」を見る。2,200mを越す山の頂上にある「空中都市」マチュピチュ、その壮大な景観は圧巻。斜面に広がる段々畑の土壌からは、トウモロコシ、ジャガイモなど多くの植物の花粉が採取され、農業試験場の役割も果たしていたと推測されている。
インカ帝国の首都であったクスコは、16世紀、スペインに侵略された。インカ帝国が築いた「カミソリの刃一枚通さない」精巧な礎石の上に、スペイン風の建物が建設され、両文化が融和した独特の街並を形づくっている。
世界遺産(39)「マチュピチュ遺跡II/クスコ市街」(ペルー)
鳥山雄司 緒方直人
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