映画 ユメ十夜
「それで 今日まで生きている理由もほぼ解った。」
夏目漱石の「夢十夜」をモチーフに、11人の監督が映像化した2007年公開の映画「ユメ十夜」。それぞれの監督が、イマジネーションを膨らませて独特の世界を繰り広げている。
「第一夜」は、実相寺昭雄監督によるノスタルジックなSFXが駆使されているが、実相寺監督は公開前に胃癌のため死去し、これが最後の映画となった。「第二夜」は市川昆監督による無声映画風の演出など、各話ごとに独自のスタイルがとられている。「第六夜」の松尾スズキ監督による運慶の話などは、「電車男」のような演出であり、原作の趣とは違うものの、ここまではじけた作りであると、かえって突き抜けた面白さがある。
バッハが様々なアレンジで現代に甦っているように、夏目漱石の作品も多くの人々の創作意欲を刺激し、百年を経てなおその魅力に気づかせてくれる。
ユメ十夜
小泉今日子
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