T^3 Japan 1日目
T^3Japan 第12回年会に参加する。2008年度は、渋谷区広尾にある東京女学館高等学校で8月8日・9日の2日間で行われ、約200名の参加があった。
T^3とはTeachers Teaching with Technology(テクノロジーによる数学関連の教育)の略称であり、1987年、オハイオ州立大学でのグラフ電卓による高等学校数学の授業を試みた頃から始まった。
今年度の年会では、32のセッションが組まれ、電卓やコンピュータの数学教育への利用、理科教育との融合などの授業実践発表やワークショップが行われた。
最初に、岡山後楽園高校の河合伸昭先生による公開授業が行われた。東京女学館高校の生徒6名に対し、数学の歴史を交えながら、電卓を用いて三角比の値を求めさせる内容。古代ローマ時代のプトレマイオスが示したsin1°=0.017453…とうい値にどこまで迫れるかというテーマがベースにあった。テンポ良く進む、ストーリーのある授業で惹き付けられた。
公開授業後、同時に4~5のセッションが開かれているため、どれに参加するか迷った末、京都大学名誉教授の一松信先生の、「電卓利用の検定問題」を聴く。数学検定の誤答からみえる思考の傾向を示した、含蓄のある内容であった。
昼食後、コンピュータ室で、中込雄治先生による「作図問題とCabri」では、角の二等分線の作図が15例も示された。その中で、多様な解法を引き出す教材の重要性が示された。
古宇田大介先生の「文房具としてのCabriⅡ」を聴き、Cabriの多様な活用法を知ることができた。「生徒の内面を引き出す使い方」という言葉が印象に残った。
中澤房紀先生の「明日から使える二次関数の授業」で、グラフ電卓の扱いを学んだ。
氏家亮子先生のセッションでは、金沢工業専門高等学校でのグラフ電卓とセンサーCBL2を組み合わせた数学の実践発表を聴く。実際にグラフ電卓で、センサーから入力した音声の波形を確認し、授業の楽しさを体験できた。
午後5時半より、学内の食堂で懇親会。多くの人と交流でき、有意義な1日であった。テクノロジーは非人間的なものではなく、人をつなぐものであることを実感した。
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