T^3 Japan 2日目
T^3Japan第12回年回の2日目。午前中、半田真先生の「複利計算と自然対数の底」の実践発表と松木貴司先生の物理量測定の授業に関する発表を聴く。
松木先生のセッションは参加者が少なかったが、一松京大名誉教授、中澤教授、河合先生と共に、LEDを使った電子回路などにふれて楽しんだ。自然に起こる様々な現象の背後にある仕組みを的確に把握するために物理や数学を使うことが実感でき、みずから自然の仕組みを解き明かす楽しさを体験することを目的とし、様々な工夫がなされた教材を見ることができた。
午後、科学的教育グループSEGの古川昭夫氏による講演。1981年創立され、多くの人材を輩出した私塾SEGの実践内容が紹介された。「中学生に5分間で対数の概念を教えられるか」「100円電卓でlog 2 を計算させられるか」など、具体的な例示は説得力があった。軽やかな口調で語られていたが、「実験・発見・証明があって初めて本当の数学」など、重みのある言葉が多かった。
最後に参加したセッションは、海陽中等教育学校の公庄庸三(くじょうようぞう)先生による中学1年生を対象にした特別セミナーの実践発表。Deriveを用い、絶対値を用いて、様々な形のグラフを描かせる内容。一次関数すら知らない中学1年生に、関数を用いて驚くほど多様な形を創作させてしまう。「後ろには時間が動いている」と直感的にパラメータによるグラフの概念をつかませ、「A」などの文字を描かせる流れは圧巻。エネルギッシュな発表で、生徒を引き込む様が感じられた。
左図は、中学1年生の生徒が試行錯誤の末に作成した関数であるが、探求する姿勢が育っていることが如実に示されている。様々な実践の積み重ねがあって初めて成し得る奥深い教育実践と感じた。
生徒の内面を引き出すテクノロジーの多様な活用法を見ることができ、実に有意義な2日間であった。
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