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学校の挑戦―学びの共同体を創る

 「学びとは対象(教材)との出会いであり、他者(仲間や教師)との出会いと対話であり、自己との出会いと対話である。」

 先日、東京大学大学院教授、佐藤学氏の講義を聴いた。1万以上もの授業を分析し、教育のヴィジョンを示し続けている氏の講義は、たいへん説得力のある内容であった。
 「最初の1500校は失敗した、3000校あたりから見えてきた。」という言葉が印象に残る。あくまで現場主義。学校、教室の空気を感じ、学びに根ざした授業実践を重視する。机上の空論ではなく、数多くの学校の改革に方向を示し、子どもたちが学び合い、教師と生徒が共に高め合う学校づくりを推進している。

 「学校の挑戦-学びの共同体を創る」には、氏の関わった実践が数多く掲げられている。
 「平等で質の高い学び」を実現するために、静かだが着実な歩みが各所で始まっている。声高に改革を叫ぶのではなく、地味な実践に耳を傾け、話し合いを通して子どもたちの学びがいかに行われたかを教師同士が分析し、共に質の高い学びの実現を目指していく。

 「学びに挑戦し続けている子ども(生徒)は、家庭が崩壊しようと友人が崩壊しようと、決して崩れることはない。」
 学びに真剣に向き合う場が、まさしく学校である。そのことを、しっかりと目の前に示してくれた。数多くの実践から語られる学びの風景には、静かな感動を覚える。

学校の挑戦―学びの共同体を創る
佐藤 学
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