本広克行監督、柴咲コウ主演のアクション映画「少林少女」。ラクロスのチームを主軸にした青春ドラマと、カンフー・アクションをミックスした内容だが、どちらも中途半端な感がぬぐえない。「少林サッカー」のチャウ・シンチーがエグゼクティブプロデューサーとしてクレジットされているので、少々期待したが、肩すかしを食う。柴咲コウの魅力はよく引き出していたし、岡村隆史も健闘していたが、いかんせん脚本が今ひとつ。
少林少女 コレクターズ・エディション
柴咲コウ, 仲村トオル, キティ・チャン, ティン・カイマン, 本広克行
司馬遼太郎が1968年に新宿の紀伊国屋ホールで行った講演。歴史小説を書く視点が具体的に話され、たいへん興味深い。あまり準備をせずに話している様子だが、それゆえに司馬氏の普段の考え方がよく示されている。鎌倉時代から幕末へと自由奔放に語られ、しかも含蓄がある。
ロック界のスーパースター、スティングが16世紀の作曲家ダウランドの曲を歌ったアルバム「ラビリンス」で、リュート伴奏をしたエディン・カラマーゾフ。彼のファースト・アルバムである「マジック・リュート」は、多彩な演奏が収録されている。哀調を帯びたメロディーをテクニックを駆使して弾き、リュートという楽器の魅力を多様な形で伝えている。
マジック・リュート
カラマーゾフ(エディン) スティング ドメニコーニ
女声ア・カペラ・グループ、アンサンブル・プラネタの2ndアルバム「乙女の嘆き」。清澄な歌声が、驚くほど広がりのある音楽を創りあげる。美しいメロディが精緻なアンサンブルによって奏でられ、別世界へと誘う。
MAIDEN’S LAMENT/乙女の嘆き
書上奈朋子 L.ホブデイ
「いま、会いにゆきます」をドラマ化したCDを聴く。純真な愛の物語。石田彰、平野綾、緒方恵美によりあやなされる繊細な情感が素直に心にしみる。
ドラマCD いま、会いにゆきます
ドラマCD
「ふりむかないで(ザ・ピーナッツ)」「遠くへ行きたい(ジェリー藤尾)」「五匹の仔豚とチャールストン(安村昌子) 」「コーヒー・ルンバ(西田佐知子) 」「赤いハンカチ(石原裕次郎) 」「ヴァケイション(弘田三枝子) 」「可愛いベイビー(中尾ミエ) 」「いつでも夢を(橋幸夫,吉永小百合) 」
収録曲のいくつかを並べてみたが、どれも品性と前向きさを持っているように感じる。1962年、日本が節度と大らかさを持っていた時代。わきかえるエネルギーをもっていた時代。明るい未来を信じていた時代。
青春歌年鑑 1962
オムニバス
コミック「ワンピース」第53巻は、シャボンディ諸島の戦闘でバラバラになる麦わら海賊団、女人の島で一人奮闘するルフィの姿を描く。一巻で物語りが見事にまとまっており、尾田栄一郎の職人芸的なストーリー展開が堪能できる。ギャグをちりばめながら、巧みな伏線を張りつつぐいぐいひっぱる物語の力が、50巻をこえてまったく衰えないのは驚異的。
日曜日には、午前中にアニメ「ワンピース」、午後にNHKの大河ドラマを見る。「ワンピース」と「天地人」、どちらもストーリーの進みが遅いという点で共通しているが、最近は「ワンピース」のヴォルテージが上がってきている。特に、第396回で描かれる人間オークション会場でルフィが怒りを爆発させるシーンには、作り手の気迫が伝わってきた。ストーリーが良いと、アニメの作り手や声優も俄然燃えるのだろう。
それに対して、「天地人」のゆったりとした緊迫感のない展開はどうしたものか。ともあれ、第15回「御館落城」において、上杉謙信死後の家督争い「御館の乱」が上杉景虎の死去によりようやく一段落を見せる。物語や台詞、演出があまりにストレートで、分かりやすいといえば分かりやすいが、やや間延びした印象は免れない。「新選組!」のような密度の濃い脚本や「風林火山」の前半のような緊迫感が懐かしく思い起こされる。
フルトヴェングラー指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるベートーヴェン:交響曲第7番のCDを聴く。高揚感のある、スケールの大きな演奏。
ベートーヴェン:交響曲第7番
フルトヴェングラー(ウィルヘルム) ベートーヴェン ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
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