奥日光 さかなと森の観察園
5月の5連休初日、栃木県日光市の中禅寺湖に行く。最初に明智平ロープウェイに乗り、展望台から華厳の滝や男体山を眺める。落差97mの華厳の滝は、周囲の山々や湖と調和して見事な景観。近くに行き、エレベータで100mほど降下する。間近で見る滝は、威風を持った存在感がある。
中禅寺湖を左手に見ながら国道120号線を東に進む。竜頭の滝の手前に「さかなと森の観察園」がある。ここは水産総合研究センターの広報施設であり、ニジマス、イトウ、チョウザメ、レイクトラウトなどの淡水魚が飼育されている。
奥日光の豊かな自然の中に池が何カ所もあり、森の空気をあびつつ、魚の生態にふれられる。受付ではエサを配っており、池の魚に与えることができる。餌を放つたびに、紅色の腹をみせて群れるニジマスの姿を見て、子どもたちは随分喜んでいた。
明治23年(1890)に宮内庁のふ化場として開設されて以来、百年以上の歴史がある施設であり、随所にその面影が残っている。昭和11年に皇族の控え室を兼ねて建てられた旧庁舎は、貴賓室を有し、自然と調和した趣のある建物。
平成18年に建てられた「おさかな情報館」は、水産業の実状や水産研究の現状が展示されており、子どもたちも関心を持って見ていた。魚に関するクイズは、4種類のコースがあり、7問中4問正解すると賞状が印刷されるので、喜んで取り組んでいた。
地味なせいか、明智平などと違い連休だというのにあまり訪れる人もいなかったが、自然を満喫できて知識も得られ、よいスポットだ。
雄大な景観を楽しみながら金精峠を抜け、菅沼に寄る。湖畔には雪が残り、子どもたちははしゃいでいた。ここもほとんど人は来ないが、雪筋が映える山と湖畔、静かな湖面のコントラストが美しく、静かな時を過ごせた。
最後に寄った吹割の滝では、まず橋を渡り山側の遊歩道を進む。ちょっと川向こうを散策する程度かと思ったら、これが意外と歩き甲斐のある道で、進むにつれてどんどん高い場所になっていく。上から滝を見下ろす位置まで結構昇ることになるが、よい運動になった。
川辺に降り、近くで見る吹割の滝は、裂け目に向かって滔々と水がうねり圧巻。
滝に始まり滝に終わった旅だったが、「さかなと森の観察園」は、間奏曲のように印象に残る場所であった。
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