パストラーレのひととき

　森繁久彌氏が2009年11月10日亡くなられた。
　その姿を直接拝見したのは、1991年の東京宝塚劇場での「レインボー通りの人々」の舞台であった。森繁氏は自ら歩くことができず、椅子に座っての演技であったが、存在感を放っていた。他の出演者も森繁さんを気遣いながら演技をしている感じが伝わってきた。
　映像作品では、1981年のドラマ「関ヶ原」が忘れがたい。当時の大物俳優総出演のすごいドラマであり、圧倒された。その中でも、憎々しく人間味溢れる徳川家康を演じる森繁氏の演技は作品の柱となっていた。
　昭和を代表する名優、森繁久彌氏の姿は、幾多の映像と共に記憶の中に生き続ける。

関ヶ原 [DVD]
司馬遼太郎

　アニメ「プラネテス」では、原作のエピソードを基にした回に優れた作品が多い。　ＤＶＤ第５巻に収められている３話はどれも見応えがある。Phase12「ささやかなる願いを」は、ダイナミックなストーリーに引き込まれる力作。Phase13「ロケットのある風景」は、ハチマキの実家、千葉でのエピソードで味わい深い。Phase14「ターニング・ポイント」は、新たなる展開の始まりであり、じっくりと作られている。
　このアニメーションは全話を通しての構成がしっかりとしており、物語の中間地点であるこのDVDでは特にその見事さが浮き上がる。

プラネテス 5 [DVD]
千羽由利子

　ソウル生まれのコロラトゥーラ・ソプラノ、スミ・ジョーが歌う世界の名曲集。「日曜日はダメよ」「ドナ・ドナ」「埴生の宿」「パリの空の下」「夢見る人」など親しまれている名曲を、カラヤンをして「神の贈り物」と言わしめた美声で歌い上げる。

世界のラヴ・ソング
クルティス スミ・ジョー

　シーナー・イーストンの90年代のポップ・アルバム。

マイ・シェリー
シーナ・イーストン

　安田祥子と由紀さおりが歌うCDを聴く。一部の曲では、ウィーン少年合唱団と共に歌っている。なじみ深い曲ばかりであり、たおやかな歌声に自然と和まされる。

歌・うた・唄 Vol.1~ウィーンにひびく歌~
安田祥子 由紀さおり

　サザンオールスターズの「そんなヒロシに騙されて」を初めて聴いたとき、基はベンチャーズの曲かと思った。ある種の親和性があるのか。ベンチャーズが演奏したサザンの曲を聴いても違和感があまりない。原曲よりおとなしめになっている感はあるが、心地よいインストゥルメンタルになっている。

プレイズ・サザンオールスターズ～TSUNAMI
ベンチャーズ

　「浪漫飛行」「プレゼント」「MAICCA」「TOMORROW」など、1990年代日本のポップスを集めたCDを聴く。言葉をたくさん並べる歌が多いと感じる。そんな中、「愛は勝つ」のシンプルでストレートな歌詞が印象に残る。

J-POP 90’s Blue(CCCD)

　「サボテンの花」「WAKE UP」「ルビーの指環」など、1980年代のヒット曲のレベルの高さを感じさせるCD。

80’s ALIVE JAPAN

　エヴァンゲリオンで使われた音楽と、壮大なパロディで構成されたCD。22分に及ぶ声優たちによる掛け合いはなかなか聴き応えがある。ベートーヴェン交響曲第９番の合唱部分もいい演奏だ。

NEON GENESIS EVANGELION ADDITION
ソマリー(ヨハネス)

　本格的な宇宙開発が進む2070年代を舞台にした幸村誠の漫画「プラネテス」。宇宙の建造物が緻密に描き込まれ、リアリティを生んでいる。宇宙空間の描写は素晴しく、叙情溢れるストーリーには心を揺さぶられる。
　人と宇宙との関わりを語りかけるSF漫画の名作。

プラネテス (1) (モーニングKC (735))