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坂の上の雲

 「まことに小さな国が、開化期をむかえようとしている。」

 NHKの大河ドラマ「坂の上の雲」がついに放送された。
 原作は、明治維新から日露戦争までの日本と日本人を描いた、司馬遼太郎が40歳代のほとんどすべてを費やして執筆した小説である。映像化するのは不可能と言われていた。自分も一読後、この書のスケールの大きさは映像にするのは難しいだろうし、なまじしても、ひどく小さな形になってしまうのではと感じた。しかし、多くの人が映像化への情熱を抱き続け、その実現は「日本映像界の悲願」とまで言われた。

 第1話では、松山での秋山兄弟と正岡子規の子供時代、そして青年期を迎えて東京に学ぶまでが描かれる。さすがに、あだおろそかに出来ないというスタッフの姿勢が伝わる、丁寧な作りであった。
 特に、秋山真之が新橋駅に降り、街を歩くシーンは、馬車や路面電車が行き交う明治の賑わいが再現された、並々ならぬ意欲がみなぎる映像であった。

 明治のおおらかな気風の中、とまどいながらも前を見つめ、歩んでいく若者の姿は、小さな国が外の世界と徐々に関わる様を象徴するかのようであった。

NHK 「坂の上の雲」

NHKスペシャルドラマ 坂の上の雲 第1部 DVD BOX
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坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)
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