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坂の上の雲 5

 歴史のうねりの中で、人々が自らの役割を意識し、突き進んだ「明治」時代を描く「坂の上の雲」。第1部の最後となる第5話では、日清戦争後の19世紀末、秋山兄弟や正岡子規の姿を通して、時代の空気を感じさせる。
 アメリカで海軍の研究を進める秋山真之、ロシアに留学し、その国力を目の当たりにする広瀬武夫、陸軍乗馬学校で騎兵隊を育てる秋山好古。日本の将来を背負った若者たちの凛とした言動が心地よい。
 旅をする正岡子規の姿が、日本の美しい風景と共に印象に残った。軍部の様子の合間に描かれる、叙情に満ちた子規庵での語らいの場面が、物語に絶妙の味わいを加えている。
 明治時代の日本人の矜持と志、品格、懐の広さ。その美質をあますところなく映像化し、観る者に勇気を与えてくれるドラマとなっている。次回放送は1年後だが、その間の長さが気にならないのは、作品の持つスケールの大きさゆえだろう。

NHK 「坂の上の雲」

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