志ん朝 二番煎じ
「二番煎じ」は、志ん朝の情景描写が見事。寒い日に火事の見回りをする番小屋の人々が、生き生きと語られる。鍋から湯気が上がってくるのが目に浮かぶようで、聴いていて無性に肉を肴に酒が飲みたくなってきた。
「お茶汲み」は、話法が凝っている。昨夜の女の話を語って聴かせる中で、聴いたことを伝えるので語りが入れ子構造になっている。その複雑な話法をごく自然に聴かせるところはさすが。間接話法と直接話法のなかにおかしみをふっと浮き上がらせる、これぞまさしく話芸。
落語名人会(26)
古今亭志ん朝
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