生誕100年 岡本太郎展
東京国立近代美術館に家族で行き、「生誕100年 岡本太郎展」を見る。岡本太郎の代表作のほとんどが展示されるとあって、開場時からたいへんなにぎわいであった。
入場してすぐに、「ノン」「午後の日」などの彫刻作品が目にとびこむ。ユニークな造形とユーモアをたたえた作品の数々にすぐに引きこまれる。
絵画は、パリの時代の「コントルポアン」「傷ましき腕」などの作品に始まり、戦後「絵画の石器時代はおわった。ほんとうの絵画は私からはじまる。」という宣言の意気込みで発表された数々の作品が並ぶ。
「電撃」「駄々っ子」「千手」など、強烈な色彩とほとばしる情熱が感じられる。「森の掟」はひときわ精彩を放つ。
縄文土器に力強い美を見いだし、日本の原初の美に新たな光をあてた写真の数々も展示されていた。民俗学の実践者としての側面が説得力をもって感じられる。
「明日の神話」など、戦争体験を反映させた展示には、大作全体から悲劇性と乗り越えようとする意志を感じさせられる。
最後の部屋には、「眼」をモチーフとした作品が壁一面に40以上もところ狭しと並べられていた。まさに圧巻。絵画を見ているというより、逆に絵画からおのれ自身見つめられているようで、芸術に向き合っているかを問われているようでもあった。
生涯、新しい芸術を生み出すことに身を捧げた生き様に圧倒され、刺激を受けた展示であった。
買ってきた「美女と野獣」「森の掟」のマグネットプレートや「坐ることを拒否する椅子」コースターは、そこにあるだけで強烈な存在感を放っている。
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