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渡辺岳夫の世界 ドラマ編

 渡辺岳夫が作曲したアニメ音楽は知名度が高いが、それは彼が生み出した曲の10%にも満たない。9割以上は、ドラマや舞台の音楽が占めている。

 「白い巨塔」「非情のライセンス」「愛と誠」「虹のエアポート」「新選組血風録」「俺ぁ三太だ」「赤かぶ検事奮戦記」などなど、数々のドラマの音楽を手がけ、どのメロディーも印象に残る。
 初期作品としては、「さぶ」の音楽にはモダンさと懐かしい響きが融和し、暖かさの中に高揚感がある。隠れた名曲である。

 ドラマの曲は、どれも音楽を聴くだけでふわりと映像の雰囲気が浮かび上がる。渡辺は、脚本を読みこなし、場面場面に応じた音楽を創り上げていった。そのため、登場人物の心情や舞台の空気を取り込んだ音楽になっているのだ。

 渡辺岳夫が生涯取り組んだ音楽は、アニメやドラマの進行に合わせて使われるため「劇判」とよばれ、コンサート用の曲とは一段格下の音楽と見られていた。しかし、その曲は、映像と切り離して演奏だけを聴いても実に立派で、繰り返し聴きたくなる。それは、人々の喜怒哀楽を内包した優しさと懐の深さを持った音楽だからであろう。

One Man's Music -作曲家 渡辺岳夫の世界-ドラマ編
渡辺岳夫
B003D8ZX1W

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