桂文珍 地獄八景亡者の戯れ
「地獄八景亡者の戯れ」は、70分を越える落語の大作。途中「中入」、インターミッションがあるのには驚いた。
地獄を舞台にしながら、たいそう賑やかな落語であり、「死ぬのは怖くない」と思わせてくれる。それだけでも昔の人は凄いと感じる。
地獄の話であるから、いくらでもアドリブが入れられる落語であるが、それだけに演者の力量がそのまま反映される。文珍は時事ネタを取り入れつつ、会場のお客さんを巻き込んで爆笑の渦を作り出す。余裕の口演で、ひたすら楽しんで話している雰囲気が伝わってくる。
聴き終わったときには、マーラーやブルックナーの交響曲の名演を聴いた後のような充実感があった。
2002年8月8日に、なんばグランド花月で行われた「第20回桂文珍独演会」の記念すべき録音。
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