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のぼうの城

 豊臣秀吉が小田原城を攻めている時、石田三成はその支城である忍城の攻略を命じられる。忍城の領主は、領民から「でくのぼう」の「でく」をとって「のぼう様」と呼ばれる成田長親であった。忍城は、わずか500の兵で2万の兵に対峙することになる。
 映画「のぼうの城」は、浮城とよばれる忍城をめぐる攻防を描いたスペクタクル巨編。水に囲まれた城を眺望する雄大なシーンが素晴らしい。物語は個性溢れる人物に彩られているが、特に野村萬斎演じる領主「のぼう」の味わいあるキャラクターが印象的で、余韻を残す。
 映画の楽しさを存分に盛り込んだ、一級の戦国エンターテイメント。

のぼうの城 通常版 [Blu-ray]
B00B8G7JFY

軍師官兵衛 32

 NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」第32回は、「さらば、父よ!」。最初に秀吉と家康の対決である、小牧長久手の戦いがあるのだが、これがあまりにあっけない形。両陣営への斥候の報告と、ナレーションだけで終わってしまう。戦国大河なのに、なぜか合戦のダイナミズム、駆け引きの妙を薄味にしていまっている。今回は、柴田恭兵演じる官兵衛の父、黒田職隆のさよなら公演がメインということで、ホームドラマに軸足をおいた展開。

NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」

軍師官兵衛 後編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)
NHK出版
4149233667

夜明けのキャッツ

 歌謡曲の名曲をモチーフにしたジャズのCD「夜明けのキャッツ」。タイトルは「夜明けのスキャット」のアナグラムである。
 ジャズのスタンダード「素敵なあなた」とザ・ピーナッツが歌った「恋のバカンス」が巧みに綾なされるプレイなど、昭和歌謡がジャズと見事に融和している。ベンチャーズが生み出した「雨の御堂筋」「京都慕情」と「10番街の殺人」がミックスされるなど、凝った作りの演奏も楽しめる。「異邦人」のスリリングなアレンジも良い。アート・ブレイキーの「モーニン」に導かれ、由紀さおりが唱う「伊勢佐木町ブルース」は懐かしくも新鮮。
 良質の音楽に溢れた心地良く聴けるアルバム。

夜明けのキャッツ
CATS IN THE DARK CATS IN THE DARK feat.SAORI YUKI
B008JGKBVA

ザッツ・マリンバ!

 マリンバ奏者SINSKEと多彩なアーティストが織りなす名曲を収めたCD。
 世界各地の親しみのある曲を、マリンバの華麗な演奏と、凝ったアレンジで聴かせる。爽やかな風を感じるような、溌剌とした雰囲気がある。
 マリンバの新たな魅力を伝えるアルバム。

ザッツ・マリンバ!
SINSKE
B000GLKNFA

弾き語りフォーユー BEST〜ランチでピアノ

 NHK-FMでピアニスト小原孝がパーソナリティを務める「弾き語りフォーユー」から、リクエストの多かった曲を選んだCD。
 「見上げてごらん夜の星を」「花は咲く」「ありがとう」「守ってあげたい」「夜明けのスキット」「ボレロ」など、19曲が収められる。どれも小原氏の流麗で自由闊達なピアノの演奏に魅せられる。

弾き語りフォーユー BEST〜ランチでピアノ
小原孝
B00A9XXLAY

オルフェウス室内管弦楽団 ベートーヴェン交響曲第5番&第7番

 オルフェウス室内管弦楽団による、ベートーヴェン交響曲第5番と第7番のCDを聴く。2012年と2010年にカーネギーホールで行われたライヴ録音。各旋律が明瞭に浮き上がり、なおかつ緊密なアンサンブルで曲の魅力を伝える。

ベートーヴェン交響曲第5番&第7番
オルフェウス室内管弦楽団
B00GIA6CG2

江戸川乱歩の一寸法師

 江戸川乱歩原作の映画「一寸法師」。1955年に公開された、内川清一郎監督の作品。映像表現に優れたサスペンス・ミステリー。当時の東京の風景も興味深い。
 この作品は、なんと言っても一寸法師役の和久井勉の存在感が支えている。若き日の宇津井健の茫洋とした役や、二本柳寛演じる何やら研究をしている傲岸な態度の探偵などは、存在そのものが不条理を醸している。
 スリリングでテンポある展開と、モノクロの絵画的構図をもった映像で見る者を不思議に惹き付ける映画。

江戸川乱歩の一寸法師 [DVD]
江戸川乱歩
B000A0H562

瀧川鯉朝 あいつのいない朝 竹の水仙

 瀧川鯉朝の落語「あいつのいない朝」「竹の水仙 」のCDを聴く。やや間延びしたマクラ、突然騒がしくなる噺など、格調とは対極にある落語。

王様落語会シリーズ 瀧川鯉朝
瀧川鯉朝
B00904SPFY

軍師官兵衛 31

 NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」第31回は、「天下人への道」。清洲会議を楽しみにしていたのが、オープニングの音楽前に終わってしまった。あまりの短さに唖然。中国大返しの勢いで走り過ぎ去った感じ。はしょれメロスか。
 賤ヶ岳の合戦も、あっけない感じ。なぜか千利休のもとに身を寄せていた荒木村重との場面が濃厚。長政の縁談にまつわるホームドラマが唐突に入る。大河ドラマの重厚さがもっとあると良いのだが。

NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」

軍師官兵衛 後編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)
NHK出版
4149233667

一億円は安すぎる

 「一億円は安すぎる」は、夏樹静子の短編小説。京都の織物関連会社の社長たちが考え出した不況の打開策とは。人間の業を感じさせる小品。

一億円は安すぎる【朗読CD文庫】
夏樹静子
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